中国建国70年 内憂外患の習主席「団結」演出 長老ら不満、くすぶる火種

 【北京=西見由章】中華人民共和国が建国70年を迎える10月1日、北京の天安門広場周辺では祝賀行事が開かれ、軍事パレードで最新鋭の兵器を誇示する。米国との貿易戦争や経済成長の減速、香港の混乱といった内憂外患に直面し、共産党長老の間では習近平国家主席(共産党総書記)への不満もくすぶるが、習氏は党の「団結」を演出し、自らの権威を守る構えだ。

 習氏は30日に北京で開かれた祝賀レセプションで「党中央を中心にしっかりと団結しなければならない」と演説。団結は中国人民が「危険や困難」に勝利する支えになると訴えた。また香港の混乱を念頭に「一国二制度」や「港人治港(香港人による自治)」を継続すると強調し、香港は中国本土とともに発展できると主張した。

 数々の政敵を打倒した反腐敗運動など強気一辺倒で党内の権威を確立してきた習氏はここへきて国内外の問題が山積していることで、党内の協調と団結を演出しようとしている。

 共産党理論誌「求是」は9月16日付で、習氏が「われわれは指導者の終身制を撤廃し、任期制度を実行している」と2014年に語った講話を掲載。習氏は昨年3月の全国人民代表大会(全人代=国会)で国家主席の任期制限を撤廃する憲法改正に踏み切り、党内外から「終身制への道を開いた」との声も上がった。

 講話の掲載は、指導者の終身制を撤廃した●(=登におおざと)小平(とう・しょうへい)を持ち上げる意図がありそうだ。建国70年を前に、党の宣伝工作は●(=登におおざと)氏や江沢民元国家主席、胡錦濤前国家主席ら過去の指導者の功績を強調する姿勢が目立つ。

 ただ、7月末に北京で開かれた李鵬元首相の告別式には習氏ら7人の政治局常務委員や江沢民氏が出席する一方、党の重要会議「北戴河会議」で北京に隣接する河北省にいた胡錦濤氏は花輪を贈るにとどめた。温家宝前首相、朱鎔基元首相らが出席しないのも異例で、「現指導部に対する不満の表れ」(党関係者)との見方がある。

 党内で表立って習氏に対抗できる政治勢力は存在しないが、権力の足元では火種がくすぶっている。

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