韓国の大学教授が告発され捜査 慰安婦の評価めぐり 

 【ソウル=名村隆寛】韓国の大学での講義で慰安婦について「(売春婦と)似たようなものだ」と語った教授が、「元慰安婦の名誉を毀損(きそん)した」などと激しい非難を受け、市民団体から告発された上、捜査を受ける事態となっている。

 非難にさらされているのは延世(ヨンセ)大学の柳錫春(リュ・ソクチュン)教授。柳氏は19日の講義で「日本が強制連行したとの記録はなかった」とし、売春の理由は貧しさのせいで「昔もそうだった」と述べた。

 これに対し学生が「慰安婦の被害者が自発的に行ったということか」と質問したところ、柳氏は「知りたいなら、一度してみますか」と答えたという。発言は何者かによって録音され、韓国メディアでも報じられている。

 柳氏の発言に、同大学の学生自治会や同窓会などは猛反発。「人類史上、最も醜悪な国家暴力の被害者(元慰安婦)を『自発的売春』などと罵倒し、あざ笑った」と大学に柳氏の罷免を要求した。また、柳氏の発言は女子学生へのセクハラとも受け取られた。

 批判にさらされた柳氏は延世大学の学内メディアに対し「売春が貧しさゆえの、やむを得ぬ事情での選択だったと説明したが、一部の学生が受け入れなかった」と反論。学生に「売春を勧めた発言だ」と指摘されたことには、「調査」を勧める意味だったとし「非がないのに謝罪はできない」と主張した。「日本は慰安婦の直接的加害者ではない」とも述べたという。

 しかし、市民団体は柳氏を名誉毀損や虚偽事実流布、セクハラの疑いで告発。聯合ニュースによると検察は27日、警察を通しての捜査に着手した。柳氏の授業はすでに中止となり、学生らの要求を受けた大学側も調査を進めている。

 韓国では慰安婦の存在は絶対的であり、柳氏のような発言は市民団体を中心とした“社会的制裁”を受ける。これまでに、慰安婦問題での著書をめぐり被告人にされたり、学生からつるし上げられた末、大学を追われたりした学者もいる。元慰安婦の支援団体、正義記憶連帯(旧挺対協)は柳氏に「教授の資格がない」と非難している。

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