「文政権が捜査介入」韓国法相候補めぐり検察が反発

 【ソウル=桜井紀雄】韓国の法相候補として国会で6日、人事聴聞会に臨んだチョ・グク氏の家族に絡む捜査をめぐり、文在寅(ムン・ジェイン)政権や与党の幹部が「政治的だ」と批判。検察が政権や与党に捜査介入をやめるよう反発し、前代未聞の非難の応酬となっている。いわゆる徴用工判決で日本に司法の尊重を求めながら、検察の中立性をないがしろにする文政権の二重基準が改めて浮き彫りになった。

 チョ氏の娘が大学院への進学に際し、履歴書に虚偽を記載した疑惑で、大統領府高官が虚偽を否定できる人物が見つかり、疑惑を晴らせると発言したことに、最高検は5日、「大統領府の捜査介入に映る恐れがあり、非常に不適切だ」とする最高検関係者の発言を記者団に伝えた。メディアは尹錫悦(ユン・ソクヨル)検事総長の抗議の意思を示したとみている。

 李洛淵(イ・ナギョン)首相は5日、国会で、検察が聴聞会を目前に強制捜査に踏み切ったことを「不適切だ」と述べ「検察が政治をしようとするのは、領分を超えたことだ」と批判した。朴相基(パク・サンギ)現法相も強制捜査を「事後に知った。報告すべきだった」と不快感をあらわにした。

 文大統領の最側近の法相就任を阻むかのような強制捜査に対しては、与党「共に民主党」の李海●(=王へんに賛の夫がそれぞれ先)(イ・ヘチャン)代表が「国をかき乱す行為だ」と非難するなど、与党が激しく反発してきたが、政権の責任者まで迎合した形だ。

 文氏や政権幹部は、これまでの政権と検察の癒着や政権による捜査への介入を糾弾し、司法改革を訴えてきた。最高裁が日本企業に賠償を命じた徴用工判決についても法治や三権分立を盾に政府が解決に積極関与することを拒み、日韓対立の要因をつくり出した。

 ただ、与党は、地裁が1月にネット上の世論操作事件で、文氏の別の最側近である慶尚南道(キョンサンナムド)知事の金慶洙(キム・ギョンス)被告に実刑判決を出した際に判事を激しく攻撃。仲間を擁護するためには、法治を軽視する“手のひら返し”は今に始まったことではない。韓国紙、中央日報は6日付社説で、政権側の言動について「法治の根幹を揺るがす」と指摘し、「正常な法治国家では想像できないことだ」と論じた。

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