トランプ氏、WTOで日本に援護射撃か…中韓への「優遇措置」に激怒 識者「米には『もう、いい加減にしろ』という対韓意識ある」

 ドナルド・トランプ米大統領が、日本の援軍に駆け付けたのか-。日本政府による韓国向け半導体素材の輸出管理強化について、韓国が日本をWTO(世界貿易機関)に提訴する準備を進めるなか、トランプ氏は逆に、韓国や中国などがWTOに「発展途上国」と申告し、優遇措置を受けていることは不当だと激怒したのだ。安倍晋三首相も大阪G20(20カ国・地域)首脳会合で「WTO改革」を主張しており、歩調を合わせた可能性がある。日本政府は8月2日にも、貿易上の優遇措置を適用する「ホワイト国」から韓国を除外する政令改正を閣議決定する。

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 《もっとも裕福な国が途上国だと主張し、ルールを逃れて優遇されている。そんなことは終わりだ!》《WTOは壊れている》

 トランプ氏は26日、ツイッターでこう発信した。

 WTOの制度上、「発展途上国」と自己申告した国は、先進国から関税免除などの優遇を受けられるほか、貿易自由化の義務も免除される。

 トランプ氏は同日、中国や韓国、メキシコ、シンガポールなどが、優遇措置を受けているのは不当だとして、米通商代表部(USTR)に「WTO改革」を加速させるよう命令した。

 90日以内に制度見直しの進展がなければ、米国が一方的に対象国の優遇を取りやめるといい、改革に消極的な加盟国に圧力をかけた。

 韓国産業通商資源省の金勝鎬(キム・スンホ)新通商秩序戦略室長は24日、スイス・ジュネーブで開かれたWTO一般理事会で、日本の輸出管理強化について、「自由貿易への逆行だ」「WTO体制に脅威を与える」などと日本を批判した。各国の賛同はまったく得られなかったが、タイミングを見て、WTOへの日本提訴を準備していた。

 その矢先に、同盟国の米国が、自国などに対して「優遇措置剥奪」をチラつかせて警告してきたわけだ。

 「WTO改革」は、安倍首相が大阪G20で提唱した。

 G20議長だった安倍首相は6月29日、閉幕後の記者会見で、「グローバル化、デジタル化といった近年の動きにWTOは必ずしも対応できていない」「WTOの改革は避けられない」と訴えている。

 やや方向性は違うが、安倍首相とトランプ氏がともに「WTO改革」を主張した意味は大きい。

 そもそも、日本政府による輸出管理強化は、韓国の輸出管理に疑わしい事案が続いたためだ。

 朝鮮日報も5月17日、韓国産業通商資源省の2015年から今年3月までで、大量殺傷兵器に転用可能な戦略物資の不法輸出摘発が156件だったことを指摘したうえで、「戦略物資が第3国を経由して北朝鮮やイランなどに流れた可能性がある」「不法輸出は生化学兵器系列が70件と最多。在来式武器が53件、核兵器関連が29件、ミサイル兵器が2件、化学兵器が1件」という記事を掲載している。

 これは米国としても看過できない。

 日本政府は事前に、韓国への輸出管理強化について米国に伝達したとされる。米国も、文政権時代に不正輸出が急増した背景について、CIA(中央情報局)などが調べているという。

 日米両国の一連の動きは連動している可能性がある。

 日本政府は来月2日にも、輸出上の手続きを簡素化する「ホワイト国」から韓国を除外する政令改正を閣議決定する。韓国政府は、除外対象は現在の半導体材料3品目から、電子部品や工作機械など「1000品目以上」に急拡大すると分析している。

 聯合ニュースは28日、韓国の民間シンクタンク「現代経済研究院」の報告書について報じた。韓国の対日輸入依存度が90%以上の品目は昨年48品目で、輸入額は計27億8000万ドル(約3020億円)。韓国が「ホワイト国」を剥奪された場合、食品や木材を除くほぼ全ての産業が影響を受け、経済成長も脅かされると指摘している。

 日本による「ホワイト国」剥奪と、米国による「WTO優遇措置」剥奪で、韓国経済はどうなりそうか。

 国際政治学者の藤井厳喜氏は「韓国経済が追い詰められるのは間違いない。韓国は、日本の輸出管理強化を受けて米国に泣きついたが、米国も高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備などをめぐり、韓国には煮え湯を飲まされた。『もう、いい加減にしろ』という対韓意識がある。トランプ氏のWTO改革は、日本への側面支援になる。韓国は『自国の外交は間違っていた』と悟り、反省するしかない」と語っている。

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