北の短距離弾道弾、中露の挑発飛行… 日米韓離間の策動次々

 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米政権は、北朝鮮の短距離弾道ミサイル発射に関し、最近の日韓関係の悪化を含む日米韓の足並みの乱れに乗じた揺さぶりの思惑が込められている恐れがあるとして警戒を強めていくとみられる。

 北朝鮮が今回発射したのが5月に発射されたのと同じロシア製短距離弾道ミサイル「イスカンデル」の改良型(通称・キムスカンデル)と同型だった場合、国連安全保障理事会決議の明白な違反となる。

 しかし、トランプ大統領は前回の発射に関し、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との非核化交渉の機運を維持したい考えから、問題視しないと表明しており、今回も同様の立場をとるのはほぼ確実だ。

 実際、今回の発射を受けた米政府の反応は抑制的で、トランプ氏と北朝鮮への配慮は明らかだ。

 一方、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が韓国を訪問していたタイミングで北朝鮮が発射を実施したことは、5月のミサイル発射について米政権でただ一人、「国連安保理決議違反だ」と明言したボルトン氏に当てつける意図も透けてみえる。

 また、いわゆる徴用工訴訟や対韓輸出管理の厳格化で先鋭化する日韓対立に関し、トランプ政権が「2国間で解決する問題だ」として一定の距離を置いていることで、度重なるミサイル発射に踏み切ったとしても日米韓が一致して対抗してくる状況にないと北朝鮮がみた可能性がある。

 他方、韓国が不法占拠を続ける竹島(島根県隠岐の島町)上空を23日、ロシア軍空中警戒管制機が領空侵犯したのを韓国軍戦闘機が警告射撃した問題では、露軍機が中国軍爆撃機と共同で活動しており、中露が竹島をめぐる日韓対立を改めてあおろうとする狙いがあったと読み取れる。

 さらに、韓国政府高官が18日、日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の見直しに言及したことも、中露や北朝鮮が日韓の亀裂をさらに拡大させようと思い定める誘因になったとも考えられる。

 一連の事態を受け、国防総省報道官は24日、領空侵犯は東アジア地域の不安定化を狙う中露の策動だとして「懸念」を表明した上で、「中露の挑発的行動に対しては日韓と緊密に連携していく。同盟諸国の防衛に対する米国の関与は揺るぎない」と述べ、日米韓の結束を引き続き強化していく立場を強調した。

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