WTOで日韓応酬 韓国は徴用工訴訟に言及

 【ジュネーブ=三井美奈】世界貿易機関(WTO)一般理事会は24日、日本による韓国向け輸出管理の厳格化について討議した。韓国は「自由貿易への逆行」と不当性を訴えた。これに対し、日本は「安全保障のための必要な措置だ」と正当性を主張した。

 日本の輸出管理については韓国が提起した。韓国の産業通商資源省の金(キム)勝(スン)鎬(ホ)・新通商秩序戦略室長は「WTO体制に脅威を与える措置。韓国は半導体分野の主要製造国であり、世界の供給網に影響する」と訴えた。

 これに対し、伊原純一・駐ジュネーブ国際機関政府代表部大使は「輸出管理制度に基づく措置で、安全保障の観点から(兵器の)関連物資・技術の拡散を防ぐことを目的としている。WTOの場で取り上げるのは適切ではない」と反論した。

 金氏は会見で、いわゆる徴用工訴訟に言及したと明らかにした。「何百万人も徴用された問題で、適切な協議ができない状態の中、日本は今回の輸出規制を導入した」と述べ、日本の措置は政治的圧力が狙いだという見方を示した。

 日本側は理事会で「輸出管理をめぐる不適切な事案が生じたので、簡素化していた措置を通常手続きに戻した」として、今月12日に経済産業省で事務レベル会合を行ったことを説明した。韓国が世界の供給網への影響に言及したことについて「安全保障のための見直しを経済上の利益の論点にすり替えており、受け入れられない」と主張した。

 韓国側にはWTOで日本の措置の不当性を訴え、撤回に向けて国際的圧力をかける狙いがあったが、理事会では第三国から発言はなかった。金氏は日本の外務省の山上信吾経済局長にジュネーブでの局長級会談を求めたが、断られたとしている。また金氏は、日本をWTOに提訴する準備を進めていることを明らかにした。

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