インド、月探査機15日に打ち上げ 着陸成功なら4カ国目 宇宙開発強化で「大国入り」目指す

 【シンガポール=森浩】インドは15日、無人月面探査機「チャンドラヤーン2号」を打ち上げる。9月6日に月の南極付近に着陸する予定で、成功すれば米国、ソ連、中国に次いで4カ国目。インドは経済成長とともに国際的な存在感も高まる中、宇宙開発を強化し、月面着陸を実現させることで大国の仲間入りを果たしたい考えだ。

 チャンドラヤーン2号は、月周回機、着陸機、探査車で構成される。インドが月探査ミッションを実施するのは2回目で、探査機着陸を試みるのは初めて。月の南極付近にある太陽光がまったく当たらず、氷の状態で水が存在することが指摘される「永久影(えいきゅうかげ)」の探査を目指す。チャンドラヤーンとはヒンディー語で「月への乗り物」を意味する。

 プロジェクトを指揮するインド宇宙研究機関(ISRO)は今回の探査について、「月の南極への着陸は世界初となる。得られる発見はインドと人類に寄与するだろう」と説明する。

 1960年代以来、宇宙開発に力を入れてきたインドだが、近年の進歩はめざましい。2008年には月周回人工衛星「チャンドラヤーン1号」の打ち上げに成功し、14年には無人探査機「マンガルヤーン」がアジアの国としては初めて火星周回軌道に到達した。独立75周年を迎える22年までに有人宇宙飛行の実現を予定しているほか、モディ首相は6月の演説で「私たちは自らの宇宙ステーションを持つことが願いだ」とも言及した。国際社会で存在感を発揮するため、宇宙開発で独自の立ち位置を築こうとしている。

 今年で1969年のアポロ11号の月面着陸から50年を迎えるが、世界各国は豊富な埋蔵資源が明らかになりつつある月に再び注目している。先行したい中国は1月に世界で初めて無人月面探査機を月の裏側に着陸させた。宇宙開発での優位性を保ちたい米国も5月、2024年までに再び宇宙飛行士を月に送り込む「アルテミス計画」を発表。大国入りを志向するインドもこうした波に乗り遅れたくない意向がある。

 一方、インドは宇宙開発の安全保障面での活用も推進。3月にはミサイルを使った人工衛星の破壊実験に成功したと発表。名指しはさけつつも、制空権や制海権のみならず「制天(宇宙)権」の獲得を目指す中国を牽制(けんせい)した格好だ。

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