慰安婦支援財団が解散 韓国政府、日韓合意無視し一方的に

 【ソウル=名村隆寛】慰安婦問題をめぐる2015年12月の日韓合意に基づき韓国で設立された「和解・癒やし財団」が登記上、解散したことが5日分かった。関係者が明らかにした。解散の申請は6月17日に行われ、今月、手続き完了の通知が財団側にあったという。

 財団は朴槿恵(パク・クネ)前政権当時の16年に韓国政府が設立。日韓合意に基づき日本政府が拠出した10億円を財源に、元慰安婦や遺族に対する現金支給などの事業を行ってきた。10億円からこれまでに、合意の時点で生存していた元慰安婦の7割以上に現金が支給されている。

 しかし、17年の文在寅(ムン・ジェイン)政権発足後、康京和(カン・ギョンファ)外相が「合意には法的拘束力がない」とし、韓国政府は日韓合意の検証作業を行った。その後、文在寅大統領は、「政府間の約束であれ、大統領として、この合意で慰安婦問題が解決できないことを明確にする」と表明。韓国政府は昨年11月、「被害者(元慰安婦)中心主義の原則の下で財団解散を進めることになった」(陳善美(チン・ソンミ)女性家族相)とし、一方的に財団の解散と事業終了の方針を発表し、日本政府の同意なしに手続きを進めた。

 今回の財団解散に際しても日本政府への通知はなされなかったという。日本が拠出した10億円のうち、財団には5億円余りが残る。財団解散は日韓合意に明確に反しており、日本政府は韓国政府の方針を当初から受け入れておらず、日韓関係に悪影響を及ぼすことは必至だ。

 残余金について韓国女性家族省では、韓国政府が代替金として一方的に編成した10億円に相当する103億ウォンとともに、元慰安婦や関連団体などの意見を聞き「合理的に処理方法をまとめていく」としていた。

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