中露首脳から金正恩氏の意思伝達 北朝鮮めぐり文在寅大統領に追い風

 G20サミットでは北朝鮮の核問題をめぐり、中露首脳が金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の意思を韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領に説明。また、トランプ米大統領が29日、ツイッターで、翌日に朝鮮半島の軍事境界線がある非武装地帯(DMZ)で金氏と会う用意があることを表明する思わぬ出来事もあった。

 韓国大統領府によると、プーチン露大統領は29日未明、文氏との会談で「北朝鮮への安全保障が核心で非核化に対する相応の措置が必要だ」との金氏の立場を伝えた。27日の中韓首脳会談で習近平国家主席が「外部環境の改善」を金氏が希望していると説明した内容と似ており、対北制裁の解除や敵視政策の転換を指している。

 一方、トランプ氏による米朝首脳会談の意向は、文氏にとっては朗報だったようだ。韓国大統領府によれば、討議での発言を控えた文氏にトランプ氏が近寄り「私のツイッターを見ましたか」と尋ね、親指を立てて「一緒に努力しよう」と話しかけたという。

 米朝の仲介役を自任しつつも、2月末の米朝首脳会談が物別れに終わって以来、対北政策が行き詰まっている文氏をトランプ発言は勇気づけたに違いない。

 文氏は討議で「朝鮮半島の完全な非核化と平和定着に向け、責任と役割を全うしている米日中露に格別な謝意を表する」と語った。さらに、安倍首相が前提条件なしで日朝首脳会談を目指していることに言及し、「多様な対話と協力のチャンネルが機能すれば、平和が互いの安定と経済に役立ち自国の利益になるとの認識が広がる」と強調した。

 北朝鮮の核問題は依然、不透明だが、文氏は30日の米韓首脳会談の成功につながる環境を、少なくともG20の成果として得られたようだ。(名村隆寛)

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