金与正氏が板門店で弔辞 金大中元大統領夫人死去で

 【ソウル=桜井紀雄】韓国の金大中(キム・デジュン)元大統領の李姫鎬(イ・ヒホ)夫人が10日に死去したことを受け、北朝鮮の金正恩(ジョンウン)朝鮮労働党委員長は12日、妹の金与正(ヨジョン)党第1副部長を軍事境界線がある板門店(パンムンジョム)の北朝鮮側施設「統一閣」に派遣し、弔辞と弔花を韓国側に送った。

 韓国側から大統領府の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長らが出向いて受け取った。鄭氏らに対し、与正氏は、金正恩氏には李氏への格別な思いがあったと説明。「民族間の和解や協力に尽力された李女史の遺志に従い、北南間の協力が続くことを願う」と述べた。金正恩氏から文在寅(ムン・ジェイン)大統領へのメッセージなどはなかったという。

 李氏は2000年の初の南北首脳会談で金大中氏に同伴して訪朝したほか、金正日(ジョンイル)総書記が11年に死去した際も平壌に弔問に訪れて金正恩氏と対面するなど、北朝鮮との関わりは深い。

 金正恩氏は妹を遣わすことで李氏への敬意を表した形だ。米朝非核化交渉だけでなく、南北対話も停滞する中、韓国側には、北朝鮮の弔問団がソウルを訪れれば、対話再開のきっかけになるとの期待もあったが、与正氏が“越境”するまでには至らなかった。

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