英保守党の党首選、10人が届け出 強硬離脱派と穏健離脱派対決の構図に

 【ロンドン=板東和正】メイ英首相の辞任に伴う与党・保守党党首選の立候補者の受け付けが10日行われ、ジョンソン前外相ら10人の議員が届け出た。党首選は欧州連合(EU)離脱が主な争点となり、合意なき離脱を強く主張する「強硬離脱派」と、EUと関係を保った離脱を重視する「穏健離脱派」の候補者が票を奪い合う構図になる。

 党首選に届け出た強硬離脱派の議員は、ジョンソン氏を筆頭に、ラーブ前EU離脱担当相、レッドソム前下院院内総務、マクベイ前雇用・年金相の4人。穏健離脱派からは、ハント外相、スチュワート国際開発相、ハンコック保健相、ハーパー議員、ゴーブ環境相、ジャビド内相の6人が立候補した。残留派の議員は党首選に参加しない。

 現在、党員の高い支持を集めているのが、ジョンソン氏ら強硬離脱派の候補者だ。英調査会社「ユーガブ」が6月3、4両日に行った調査では、最も多い26%がジョンソン氏について、「良い首相になる」と回答した。ジョンソン氏はEUと合意なしでも離脱期限の10月末に離脱する方針を表明。メイ氏がEUと合意した、アイルランドの国境管理問題が解決するまで英国がEU関税同盟にとどまる離脱協定案の撤回を主張している。

 強硬離脱派でジョンソン氏に続く支持を集めているラーブ氏も、協定案の見直しを求める。EUが交渉に応じなければ、合意なき離脱を辞さない姿勢だ。

 一方、穏健離脱派のハント氏は、経済を混乱に陥れかねない合意なき離脱を「(英国にとって)自殺行為だ」と牽制する。スチュワート氏も「合意なき離脱を政策にする内閣で働けない」と明言している。ゴーブ氏は合意なき離脱への準備が必要としつつも、秩序だった離脱が望ましいというスタンスだ。

 強硬離脱派のジョンソン氏が高い支持を集めているが、同派が党首選に勝利しても、離脱の実現に必要な議会の承認が得られるかは不透明だ。野党を含めた約6割の英下院の議員が合意なき離脱に反対する中、新政権が強硬離脱を推し進めても実現できない可能性が高い。ハント氏は10日、「合意なき離脱は議会で承認されない」と強調した。

 保守党は13日から同党の下院議員313人による投票を繰り返し、候補者を2人に絞る。その後、7月22日の週に十数万人の党員による決選投票で新首相が選出される。

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