韓国、対抗措置に危機感 政財界「対日ビジネス悪化」

 【ソウル=名村隆寛】日本政府による韓国産水産物への検査強化について、福島など8県の水産物の輸入規制を続けている韓国政府は「対抗措置」として警戒していたもようだ。

 韓国の輸入規制をめぐり世界貿易機関(WTO)の上級委員会が4月に日本の逆転敗訴の判断を示したことを韓国政府は評価し、日本の規制撤廃要求を「法的な義務はない」と拒否。だが、文成赫(ムン・ソンヒョク)海洋水産相は今月、聯合ニュースに「漁業交渉が再開されれば、(規制撤廃に関する)話が出るのではないか」と一定の“覚悟”を示唆していた。

 水産物問題と直接関係はないが、韓国はこの半年余り、日本の制裁措置の可能性に懸念を強めている。いわゆる徴用工訴訟で韓国最高裁が日本企業に賠償を命じた判決への措置だ。日本は「適切な対応」を求めたが、7カ月経っても韓国は対応策を示していない。それどころか、対応策を講じてきた李洛淵(イ・ナギョン)首相が「政府が対策を出すには限界がある」とサジを投げた。

 約束を履行しない韓国に日本政府は、日韓請求権協定に基づく仲裁委員会の開催を要請した。日本での予想外の強い反発に、韓国では財界に加え政界でも危機感が広がっている。メディアは「徴用工判決で押収された日本企業の資産が現金化され日本政府が報復措置を発動すれば、韓日関係は手をつけられない状況に陥りかねない」(中央日報)と懸念を示す。

 韓国の経済団体、全国経済人連合会(全経連)の調査(4~5月)によると、日本に進出している韓国企業の53・1%が、日韓関係の冷え込みでビジネス環境が悪化したと答えている。

 こうした現実に韓国では「韓国企業が現在、日本市場で経験している困難は序章に過ぎない」(朝鮮日報)との予測もある。第二、第三の対抗措置を前に戦々恐々といった状況だ。

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