トランプ氏、激戦州のペンシルベニア州で今年初の演説 民主バイデン氏を強く意識 米大統領選

 【ワシントン=黒瀬悦成】来年の米大統領選で再選を目指すトランプ大統領は20日、選挙の行方を左右する「激戦州」である東部ペンシルベニア州モントーズビルで今年初の支持者集会を開いた。同州フィラデルフィアでは民主党の候補指名争いで先頭を走るバイデン前副大統領が18日に初の大規模集会を開いたばかり。各種世論調査ではバイデン氏の人気はトランプ氏を上回っており、トランプ氏からはバイデン氏を意識した発言が目立った。

 トランプ氏は演説で、自身が大統領に就任以降、雇用が劇的に改善し経済も好調だと指摘した上で、「これでどうやれば選挙に負けるというんだ」と述べ、勝利への自信を表明した。

 一方でトランプ氏は、「中国はバイデン氏に大統領になってほしいと思っている。米国から多額の金を搾取できるからだ」と述べ、自らの中国に対する厳然とした政策が米国の製造業の再生につながると強調。また、「バイデン氏は『中国は競争相手ではない』と言った。米国経済に大打撃を与えたのに」などと批判し、同氏への対抗心をむき出しにした。

 バイデン氏は同州スクラントン生まれで、選対本部もフィラデルフィアに設置するなど、同州や中西部のミシガン、ウィスコンシン両州などの鉄鋼業や製造業が衰退した「ラストベルト(さび付いた工業地帯)」を重視する選挙戦略を鮮明にしている。

 また、対中姿勢に関する先の「失言」を軌道修正するため、18日の集会での演説では中国のハイテク覇権や不公正な貿易慣行に対する懸念を表明した。

 対するトランプ氏は2016年の前回大統領選で伝統的に民主党の地盤とされてきたこれらの州を制して勝利したものの、各州での民主党候補のクリントン元国務長官との得票率の差は1ポイント未満で、今回も確実に勝てる保証はない。

 トランプ氏としては中国との貿易戦争を勝ち抜いて米国経済を名実ともに再建できるのは自分だけだと強調し、来年の大統領選の「主戦場」であるラストベルトの有権者をつなぎ止め、再選を確実にしたい考え。さらにはバイデン氏を「スリーピー(眠そうで活気のない)・ジョー」とあだ名をつけるなどして個人攻撃を強め、追い落としを図る構えだ。

 トランプ氏はこの日の演説の最終盤、バイデン氏が東部デラウェア州に移って上院議員を務めたことを念頭に「バイデン氏は君たちを見捨てて他の州に行った。君たちの雇用の面倒をみなかった」と述べた。

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