対イラン、米の次の一手に注目 トランプ政権内では主戦論と慎重論がせめぎ合い

 【ワシントン=黒瀬悦成】米国とイランとの間で軍事的緊張が高まる中、中東に空母打撃群などの兵力を展開させたトランプ政権の次の一手に注目が集まっている。イラン核合意からの離脱を主導したとされるボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が武力行使も辞さない「主戦論」を提唱する一方、トランプ大統領自身は現時点でイランと戦端を開くのには消極的とみられ、当分はにらみ合いの局面が続きそうだ。

 トランプ氏は16日、ホワイトハウスで記者団に「イランと戦争するつもりか」と聞かれた際、「できればやりたくない」と返答。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)の報道では、トランプ氏は15日にホワイトハウスで行われた会議でも対イラン開戦に慎重な考えを示したという。

 トランプ政権としては「全ての選択肢がテーブルの上にある」(サンダース大統領報道官)として武力行使をちらつかせつつ、イランを新たな包括的核合意に向けた協議の席に着かせるため「最大限の圧力」をかけていくというのが現状での基本路線だ。

 トランプ氏は15日、ツイッターで「イランはじきに対話を求めてくると確信している」と強調した。

 ただ、国際的な制裁包囲網で北朝鮮を非核化協議に応じさせたのとは違い、イランの場合は欧州諸国がイラン核合意の枠組み維持を主張するなど、主要国の足並みはそろっていない。米国の独自制裁がどこまでイランを追い詰めることができるかも定かでない。

 米政権による中東への空母打撃群などの派遣は、例えばイラン革命防衛隊がイラクやシリアに展開する米軍部隊に対して攻撃を仕掛けた場合は限定的な軍事攻撃で報復する用意があることを示している。

 ただ、イラン核保有の阻止に向けた本格的な軍事攻撃は息子ブッシュ元政権下でも検討されたものの、所期の成果が期待できず、米軍にも甚大な被害が出る恐れがあるとして事実上「禁じ手」となってきた。今後、イランが対話に応じない場合は逆に米政権が苦しい判断を迫られそうだ。

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