中国軍機、台湾「周回」で台湾関係法の意義浮き彫り

 【台北=田中靖人】台北で15、16の両日、米国の台湾関係法制定40年を記念する行事が相次いで開かれた。米中両国の対立が深まる中、緊密な関係をアピールしたい米台の思惑が一致した形だ。トランプ政権からは事前の予想を超える高官の訪台はなかったものの、中国が15日に爆撃機に台湾を「周回」させたことで雰囲気は一転し、一連の会合は米台が一致して中国を非難する場となった。

 「台湾への明白な脅しであり、この種の行為はやめるべきだ」

 16日のシンポジウムで、ライアン前米下院議長は中国を厳しく批判した。台湾の国防部(国防省に相当)は15日、中国空軍の多数機が同日昼、バシー海峡から西太平洋に進出し、うち轟(H)6K爆撃機が宮古海峡経由で基地に戻ったと公表。日本の防衛省の発表で、H6Kは異例の4機態勢だったことが判明した。会合の冒頭、蔡英文総統は「台湾は脅しに屈しない」と歩調を合わせた。

 台湾関係法の制定40年は、同時に米台の断交から40年でもある。だが、蔡政権や米国の対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)は今年に入り、米台の非公式関係の維持や台湾への防御的な兵器の売却を定めた同法の意義を強調。今回、伝統的に親台派が強い米議会から1月に引退したライアン氏のほか、超党派の現職下院議員4人が訪台した。

 15日午前に台湾大で開かれたシンポジウムでは、AITのクリステンセン所長が、台湾の国際組織への参加支援を表明するなどしていたが、中国軍機の「周回」後にAITの新施設で行われた記念式典では、蔡氏が「台湾海峡の安定への挑戦だ」と批判。ライアン氏が「米国の台湾への安全保障上のコミットメント(保証)は極めて堅固だ」と応じ、同法の安全保障面が強調された。

 さらに16日朝(台湾時間)には、米国防総省が台湾のF16戦闘機の訓練プログラムの継続契約を議会に通知。台湾関係法による米台の軍事的な結び付きを際立たせる結果となった。

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