アサーンジ容疑者逮捕 司法省が訴追、ロシアによる米大統領選干渉の全容解明に期待

 【ワシントン=黒瀬悦成、ロンドン=板東和正】ロンドンのエクアドル大使館に逃げ込んでいた内部告発サイト「ウィキリークス」創設者、ジュリアン・アサーンジ容疑者が逮捕されたことを受け、米司法省は11日、機密文書入手のためコンピューターに侵入した疑いで、同容疑者を訴追したと明らかにした。

 米国では同容疑者が関与したとされる、ロシアが2016年米大統領選に干渉したと米情報機関が断定している問題の全容解明につながるとの期待が高まるのは確実だ。

 米連邦大陪審は昨年7月、16年大統領選の民主党候補、クリントン元国務長官の陣営幹部や民主党全国委員会のメールを不正入手してネット上で暴露するサイバー攻撃に関与したとして、当時、ロシア軍情報機関の参謀本部情報総局(GRU)当局者だった12人を起訴した。

 起訴状は、GRU当局者のうち1人がウィキリークス側と接触し、不正入手したメールをどのタイミングで公表するかなどについて協議したと指摘している。また、11月には米司法省が機密情報を公表した罪でアサーンジ容疑者を刑事告発していたことも判明した。

 一連のロシア疑惑をめぐるモラー特別検察官の捜査報告書では、トランプ陣営とロシア側による共謀を示す証拠はなかったと結論づけており、アサーンジ容疑者の逮捕によって捜査の結論がただちに覆る可能性は低いとみられる。

 ただ、アサーンジ容疑者を刑事処罰することに関しては、オバマ前政権のホルダー司法長官が「言論の自由」を保障する憲法修正第1条に抵触する恐れがあるとして見送った経緯があり、今後、同容疑者の身柄が米国に引き渡された際は、その処遇が改めて論議を呼ぶことになりそうだ。 英BBC放送によると、アサーンジ容疑者はエクアドル大使館で保護されている間、他国に対する内政干渉を行っていたとして、同国のモレノ大統領が「限界に達した」と保護の中止を表明していたという。

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