米大統領選、民主党一番人気のバイデン元副大統領が「セクハラ疑惑」 出馬に踏み切るか注目

 【ワシントン=黒瀬悦成】来年の米大統領選の民主党候補指名争いで一番人気とされるバイデン前副大統領が、複数の女性から過去に「体を触られた」「後ろから髪の毛のにおいをかがれた」などとして追及され、窮地に立たされつつある。バイデン氏は現時点で指名争いに名乗りを上げておらず、出馬について「数週間以内に決断する」としているものの、突然の「セクハラ疑惑」浮上は出馬の是非をめぐる判断に影響を及ぼす可能性もある。

 バイデン氏の「セクハラ」に最初に声を上げたのは、ネバダ州議会のルーシー・フローレス元議員。フローレス氏は3月29日、米雑誌への寄稿で、2014年の自身の選挙運動の応援に訪れたバイデン氏に「後ろから髪のにおいをかがれた上、後頭部にキスされた」と明らかにした。

 これに対し、バイデン氏は3月31日の声明で「不適切な行動をとったことは一度もない」と釈明。しかし4月1日には、2009年10月に行われたコネティカット州選出の下院議員の資金集めの会合で同議員の側近を務める女性がバイデン氏に無理矢理引き寄せられ、鼻と鼻をこすり合わされたと主張した。

 その後も、同様の被害を受けたと訴える女性がさらに2人出現。バイデン氏は3日、ツイッターで「今後は他人との距離に気を遣うようにする」と事実上謝罪し、事態の収束を図った。

 バイデン氏は、急進左派的な政策を唱える若手候補がひしめく民主党の指名争いで、中間層や無党派層を取り込んでトランプ氏の再選を阻止し得る「経験豊富な中道穏健派」として出馬待望論が少なくない。

 バイデン氏が東部ペンシルベニア州生まれで「庶民派」のイメージが強いことも、次の大統領選で白人労働者層の票がカギを握る同州や中西部ミシガン、ウィスコンシンなどの重要州をトランプ氏から奪還できるとの期待を高めている。

 しかし、バイデン氏が女性の体に触ったり過度に接近したりする「癖」は以前から広く知られており、さらなる「被害者」が訴え出てくる事態も想定され、同氏は引き続き苦しい対応を迫られそうだ。

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