トランプ氏が反転攻勢 集会で露疑惑潔白宣言

 【ワシントン=黒瀬悦成】いわゆるロシア疑惑をめぐるモラー報告書が2016年米大統領選でのロシアとトランプ陣営との共謀の疑いを否定したのを受け、トランプ大統領は来年の大統領選での再選に向け、これまでの民主党や主要メディアからの攻撃を「政治的魔女狩りだ」として主要争点に位置づけ、反転攻勢を本格化させた。

 ■作り話は死滅

 「3年間にもわたる嘘や中傷、非難の末に、ロシア(疑惑)の作り話はようやく死滅した。共謀などという妄想は、済んだ話だ」

 トランプ氏は28日、中西部ミシガン州グランドラピッズでモラー報告書の提出後としては初となる支持者集会を開き、数千人の聴衆を前に高らかに「潔白宣言」を行った。

 グランドラピッズは、16年大統領選でのトランプ氏の最後の遊説地。選挙の行方を左右する重要州に位置づけられていたミシガン州を僅差で制したことで、トランプ氏は大統領の座をつかむことができた。そんな因縁深い地を今回、集会の場所として選んだのは、同氏の再選への決意の表れでもあるといえる。

 トランプ氏はまた、集会での演説で、民主党や主要メディアについて「16年大統領選の結果を受け入れられないという理由で国の分断を図り、民主政治の仕組みを破壊しようとした」などと口を極めて罵(ののし)った。

 トランプ陣営の広報担当者は「大統領は、民主党によるロシアとの共謀や司法妨害に関する嘘と、自身のこれまでの主張がいかに正しかったかについて、投票日まで訴えることになるだろう」と強調する。

 とはいえ、報告書がトランプ氏の期待するような追い風効果を生み出すかは、現時点で読み切れない。

 民主党からは、既に名乗りを上げている十数人に加え、モラー報告書でトランプ氏が窮地に陥ることを見越し、最終的に30人以上が同党の大統領候補指名争いに名乗りを上げると取り沙汰されてきた。このうち、かなりの人数が出馬を断念する可能性がある。

 一方で、選挙予測専門家のネート・シルバー氏は、「民主党の指名争いに出馬表明済みの候補は、いずれもモラー報告書を主要争点に掲げてこなかった」と指摘し、報告書をめぐるトランプ氏の攻撃が民主党候補を直撃する公算は小さいとの見方を示す。

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