我慢できなかった?“チェーン・スモーカー”金正恩氏の喫煙シーン

 だが、時間がかかるあえて鉄道を利用することで「移動中」を理由に非核化に向けた米国との実務者協議を滞らせ、自身を「友人」と呼ぶトランプ氏との直談判に持ち込んで、一気に制裁解除を取り付けようという策略が、金正恩氏にはあったとの説もある。

 いずれにせよ、米朝首脳再会談は2月28日、不調に終わった。米国メディアを追い出してまで宿泊したハノイ中心部の高級ホテル「メリア・ハノイ」に戻った金正恩氏は、猛烈な勢いでタバコの煙を吸い込んだかもしれない。

 中国は、4000キロ余りの鉄道の道のりを警備して汗をかいたが、習近平国家主席と金正恩氏の会談などは設定せず、北朝鮮と距離を置いた。23日午後に平壌を出発した特別列車は、北京には寄らず、天津や武漢(湖北省)、長沙(湖南省)、南寧(広西チワン族自治区)などを経由したとみられている。韓国メディアは、中国が鉄道ダイヤを大幅に変更するなどの最大限の配慮をみせたとして、「中朝の血盟関係(の深さ)を示している」と分析した。

 金正恩氏の特別列車は、中国が提供した先頭車両に牽引され、中越国境などの山間部を登坂する際には、より馬力が大きい車両に切り替えられたとも伝えられる。金正恩氏は昨年6月の初の米朝首脳会談でも、中国が用意したチャーター機でシンガポール入りし、中国による「後ろ盾」を国内外に印象づけた。

 ただ、今回のハノイでの米朝首脳会談は、合意に失敗。いくらトランプ氏がトップ・ダウンを好む指導者だとはいえ、国を支える軍や情報機関などの調整を得ずに、米国という世界一の巨大組織を動かすことは不可能だ。金正恩氏は、中国と米国のはざまの中で、国際政治に関する「現実」について、多くを学んだことだろう。(ハノイ 吉村英輝)

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