米朝会談の裏で元側近追及…トランプ氏の「内憂外患」印象付け

 【ワシントン=住井亨介】トランプ米大統領がベトナムの首都ハノイで米朝首脳会談に臨む中、米CNNなどの主要メディアはトランプ米大統領の元個人弁護士、マイケル・コーエン被告による下院監視・改革委員会での証言に関するニュースを繰り返し伝えた。約7時間にわたる公聴会で野党・民主党は政権を追い込む顕著な新証拠にはたどり着けなかったが、トランプ氏の「内憂外患」を印象付けるには十分だった。

 トランプ氏と間近に接したコーエン被告による「舞台裏」の証言は具体的だった。トランプ氏との不倫を主張している女性への口止め料支払いで被告が払い戻しを受けたのが分割払いだったことや、トランプ一族の企業「トランプ・オーガニゼーション」の内情、トランプ氏の気性などを次々と“暴露”した。

 しかし、トランプ氏の長年の腹心だったとはいえ2016年大統領選の陣営にいなかったコーエン被告は、ロシアの米大統領選干渉疑惑の捜査で焦点となっている陣営とロシアの共謀を裏付ける「直接的な証拠」は持っていないと断言。トランプ氏を追い詰めるような証言が飛び出すまでには至らなかった。

 民主党はそれでも、ロシア疑惑の解明につながる証言があったとみている。

 コーエン被告は28日にも下院情報特別委員会に出席し、非公開で証言。同委員会のシフ委員長(民主)は被告が2月27日の公聴会で、トランプ氏と長男ジュニア氏が交わしたロシア側との面会に関するとみられる会話を明瞭に再現したことに着目しており、米公共放送(PBS)番組で「被告の証言は印象的で、信用性も十分だ」と述べた。

 シフ氏はモスクワでの高層ビル「トランプタワー」計画をめぐるロシアの関与に関心を寄せる。同氏は、「大統領選期間中も被告はトランプ氏とやり取りを繰り返していた。(この問題を)掘り下げ、ロシア政府の誰とつながろうとしたかを追及する」と新証言に期待を示している。

 この日の公聴会で、コーエン被告は露疑惑を捜査するモラー特別検察官のほかにも当局の聴取に応じているとし、トランプ氏をめぐる別の捜査が進展していることを示唆。27日の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、17年1月のトランプ氏の大統領就任式実行委員会が資金の流れに関する資料提出を求められたと報じており、疑惑が拡大する気配も出ている。

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