悔しさにじむ「ディールの名手」 トランプ氏、北読み切れず

 トランプ米大統領は28日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との再会談終了後の記者会見で、協議の様子を「とても友好的だった」と述べ、今回は物別れに終わったものの、交渉は継続していく姿勢を強調した。不動産開発で一大帝国を築いた自信から「ディール」(取引)の名手を自負しながら、北朝鮮側の対応を読み切れなかった悔しさが感じられた。

 トランプ氏は再会談に先立ち、北朝鮮が非核化すればベトナムのように繁栄するだろうとし、「その潜在力はすごい」と指摘。金氏を「私の友人」と呼ぶなどして持ち上げ、友好ムードの演出に余念がなかった。

 27日の夕食会では、シンガポールでの初回会談を「大きな成功だった」と自賛し、「今回も同等かそれ以上の成功を期待している」とも言及していた。

 それだけに、記者会見でのトランプ氏は、落胆と疲れを隠さなかった。約40分間にわたり、米国や外国の記者を指名しながら質疑応答を受け付けたが、弁解口調に終始。北朝鮮の非核化に向け歴代米政権が自分ほどの成果を挙げてこなかったも述べ、自己弁護した。

 内政では、メキシコ国境の壁建設などの看板政策実現に向けた野党・民主党との交渉が不調。裁量が大きい外交分野で華々しい取引をアピールしたい所だった。

 超大国の最高権力者かつ「最高広報官」とも称されるトランプ氏。だが、自身の見込み違いと金氏との関係維持のため、いつもの荒々しい“トランプ節”は封印された。(ハノイ 吉村英輝)

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