失脚した中国指導者の像はなぜ作られたのか 胡耀邦の故郷・湖南省で謎に迫る

【藤本欣也の中国探訪】

 中国の改革派指導者として知られた胡耀邦氏(1915~89年)の像が故郷の湖南省に建立された。胡氏は学生デモへの対応などを批判されて失脚した中国共産党元総書記だ。像の建設が許可された背景には何があるのか。現地に飛んだ。

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 胡氏の故郷、湖南省瀏陽(りゅうよう)市は省都・長沙から東へ車で1時間余り。高さ6メートルの像は「耀邦広場」にあった。

 除幕式が行われたのは11月18日。像は「党中央、国務院(政府)の許可を得て建てられた」(地元紙、湖南日報)という。

 像の前には、地方の党組織が贈ったいくつかの花輪が飾られていた。目についたのは花輪の横の真っ赤な看板だ。「入党の誓いの言葉」が記されている。

 「私は入党を志願し…党の決定を遂行し、党の規律を守り、党の秘密をもらさず、党に忠誠を誓い…永遠に党を裏切りません」

 「胡耀邦」の前で、入党を誓う、あるいは入党の誓いを新たにするという趣向だろうか。ただ、像の前で記念撮影をする観光客はいても、誓いの言葉を唱える中国人はいなかった。

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 驚いたことに、「耀邦広場」の周辺一帯は「胡耀邦故里」いう名の観光地と化していた。大半の整備が終わったのは胡氏の生誕百周年に当たる2015年。像の建立計画もこのころから本格化したという。

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