米英紙がゴーン事件の捜査を論評 「不思議の国のゴーン」と当てこすり

 【ワシントン=塩原永久、パリ=三井美奈】日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者が東京地裁で行われた勾留理由開示手続きに出廷したのを機に、米英の主要経済紙が検察当局の捜査について論評している。米紙ウォールストリート・ジャーナルは9日付紙面で、「不思議の国のゴーン」と題する社説を掲載し、少女が奇妙な世界に迷い込む児童小説「不思議の国のアリス」を引き合いに、日本の刑事司法制度を当てこすった。

 同紙は、今回の事件について国際ビジネス史上、「もっとも不可思議な事件」の展開が「ますます奇妙」になっていると指摘した。

 ゴーン容疑者が現段階では有価証券報告書への報酬の過少記載の罪で起訴されただけなのに、勾留が7週間に及んだ点について、「検察官がさらに勾留を続けるため別の容疑を積み上げている」と批判した。

 また、「(日本の)裁判はあらかじめ有罪が決まっている形式的なものだ」と評価。地裁で無罪を主張したゴーン容疑者の意見陳述が「検察が明らかにしている証拠よりも説得力があった」と述べ、一連の問題が「法廷ではなく役員室で対処されるべき紛争のようにみえる」と締めくくった。

 英紙フィナンシャル・タイムズは9日付の紙面で、「ゴーン事件で日本の司法制度が裁かれている」とする社説を掲載し、制度改革の必要性を訴えた。弁護人が8日の記者会見で、容疑者は否認すると保釈が認められないケースが多いと述べたことに言及し、「それこそ問題の核心。無実を主張する人が苦しむ制度だ」と論じた。

 一方で、社説は「日本の司法は相当に公平で、徹底している」として、米英の司法制度が必ずしも優れているわけではないとも主張。日本が国際ビジネスの現場として評判を保つために「司法制度を発展させるべきだ」として、弁護人との接見、勾留の期間制限などで改善を促した。

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