米軍がウクライナで監視飛行 クリミアでの動き牽制か

 【ワシントン=加納宏幸】米空軍のOC135相互領空監視機が6日、軍事活動の透明性を高めるため、加盟国の領空で非武装の航空機による相互監視活動を認めるオープンスカイ(領空開放)条約に基づいてウクライナ上空を飛行した。具体的な空域は明らかにしていないが、国防総省は飛行の実施を発表した声明で、ロシアが一方的に併合したウクライナ南部クリミア半島近くのケルチ海峡で同国艦艇を射撃・拿捕(だほ)したことを非難した。

 米ABCテレビによると、監視飛行はウクライナの要請で「特別飛行」として実施された。OC135には同国、カナダ、ドイツ、フランス、英国、ルーマニアの要員が同乗した。ロシアがクリミアを併合した2014年3月にもロシアとウクライナの国境上空で同様の監視飛行が実施されたという。

 今回の飛行には、ウクライナ国内でのロシア軍や親露派武装勢力の動きを監視し、クリミア半島併合やウクライナ艦艇の射撃・拿捕といったロシアの行為を牽制(けんせい)する狙いがある。国防総省は声明で、米国として欧州諸国の安全保障を支える決意を表明するとともに、「ウクライナなどへの米国の関与を再確認するため、このタイミングで実施した」と強調した。

 オープンスカイ条約の構想は東西冷戦期からあったが、11月30日に死去した第41代米大統領ブッシュ氏が1989年、北大西洋条約機構(NATO)とワルシャワ条約機構の信頼醸成のために多国間条約として提唱し、2002年に発効した。欧米を中心とした34カ国が加盟している。

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