米、露に地上発射型巡航ミサイルの廃棄か射程短縮要求

 【ワシントン=黒瀬悦成】トンプソン米国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)は6日、電話で記者会見し、トランプ政権が中距離核戦力(INF)全廃条約からの脱退を表明したことに関し、ロシアに対して配備中の新型地上発射型巡航ミサイル「9M729」を廃棄するか、条約に抵触しないよう射程を短縮する措置を取るよう要求したことを明らかにした。

 9M729ミサイルの射程は、INF条約での禁止対象となっている500~5500キロの範囲内にあるとされる。

 トンプソン氏は「ロシアは、発射装置も含めて廃棄するか、条約で禁じられた射程を超えないようにするかの措置を検証可能な形で行わなくてはならない」と強調した。

 一緒に会見したハンツマン駐ロシア大使は「米国は軍備管理に取り組み続けていくが、そのためには相手が信頼できなくてはならない」と述べ、ロシアの条約違反を批判した。

 トランプ大統領は10月20日にINF条約を破棄すると表明。今月4日には、ロシアが60日以内にINF条約違反の状態を改善しなければ米国は条約で定められた義務の履行を停止すると通告していた。

 一方、ダンフォー米統合参謀本部議長は6日、ワシントン市内での講演で、2021年2月5日に期限切れとなる新戦略兵器削減条約(新START)の延長問題に関し、「ロシアがINF条約を順守していない以上、新STARTの延長も難しくなるだろう」との見通しを明らかにした。

 新STARTは米露が合意すれば5年間延長されるが、期限までに合意に至らなかった場合、核弾頭および大陸間弾道ミサイル(ICBM)や戦略爆撃機などの核運搬手段の配備制限は全面的に撤廃される。

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