ミャンマーで高まる日本への期待 欧米「人権圧力」と中国「債務のわな」の間で…

【国際情勢分析】

 10月上旬にアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相が訪日したミャンマーをめぐり、日本、欧米、中国の外交活動が活発化している。ロヒンギャ問題で批判を続ける欧米と、この問題で欧米と一線を画し支援を継続させる日本、そして日本や欧米の動きをよそにミャンマーへの経済進出を急ぐ中国。それぞれの外交姿勢がミャンマーの将来にどう作用するか、その行く末に注目が集まる。(外信部 岡田美月)

欧米は制裁決定、日本はODA供与

 スー・チー氏は9日、東京・元赤坂の迎賓館で安倍晋三首相と会談。ミャンマーから隣国バングラデシュに逃れたイスラム教徒少数民族ロヒンギャの早期帰還などについて意見交換した。

 安倍首相は同日の共同記者会見でロヒンギャ問題を含めた諸課題に関し「ミャンマー政府の問題解決に向けた取り組みを支えていく」と表明。スー・チー氏は「感謝するとともに歓迎する」と強調した。

 ロヒンギャ問題をめぐっては、欧米諸国がミャンマー政府や同国軍に対する批判を強めている。

 米国や欧州連合(EU)は、ロヒンギャへの迫害に関与したとして、すでにミャンマー軍幹部らに対する制裁措置の発動を決定。制裁は今後さらに拡大する可能性もある。

日本を重視

 ロイター通信によると、EUはミャンマーに対し貿易制裁を検討している。武器を除く全品目について、EUへの輸出を無関税とする協定が無効となる可能性があるという。

 欧米からの厳しい対応を受ける中、ミャンマーの指導者が日本の姿勢に謝意を示したのも、日本がロヒンギャ問題で欧米とは距離を置き、ミャンマーの民主化推進に向けて手を差し伸べているからだ。

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