ロシアでまた記者が不審死 謎残る転落死 シリアで民間軍事会社が送った露戦闘員死亡を暴露

 【モスクワ=遠藤良介】ロシア中部のエカテリンブルクでこのほど、地元通信社のマクシム・ボロジン記者(32)が自宅アパートから転落し、死亡する事案があった。この記者は2月、シリア内戦にロシア系民間軍事会社(PMC)が極秘参画し、ロシア人戦闘員に死者が出ていることを告発していた。ロシアでは、政権や当局を批判する記者の不審死が後を絶たず、国内外から真相究明を求める声が出ている。

 ボロジン記者は12日、エカテリンブルク市内の自宅アパート5階のベランダから転落しているのを発見され、15日に収容先の病院で死亡した。

 捜査当局は、発見当時のアパートが施錠されていたことなどから、自殺か事故だと見ている。

 ただ、ボロジン記者と交友のあった人権活動家によると、記者は転落前日の11日午前5時頃、「アパートの階段やベランダに武器を持った迷彩服の治安要員がいる。家宅捜索が始まるのではないか」とおびえた声で電話してきた。約1時間後、「演習だったようだ。申し訳ない」と不可解なことを伝えてきたという。

 ボロジン記者は2月中旬、ロシアで公式には禁じられているPMCを通じて地元出身者がシリアに派遣され、死者が出ていることを特報した。

 このPMCはプーチン露大統領に近いとされ、2月には、米軍など有志連合の空爆で推定約300人の死傷者が出た。シリア介入を「限定的」と説明してきたプーチン政権には不都合な内容だ。

 ニューヨークに本部を置く非営利団体「ジャーナリスト保護委員会」(CPJ)によると、ロシアでは1992年以降で58人のジャーナリストが殺害された。2006年に著名な女性ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤさんが射殺された事件をはじめ、大半が未解決だ。

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