文政権よりどころは「ロウソク革命」…保守追い落としが日韓関係にも陰

 【ソウル=桜井紀雄】韓国前大統領、朴槿恵(パク・クネ)被告に6日、懲役24年の判決が下されたことで、韓国の社会と政治を揺るがした事件は一区切りを迎えた。ただ、文在寅(ムン・ジェイン)政権は、旧保守政権の弊害を正す「積弊清算」を旗印に保守たたきにのめり込み、事件の余波は現在進行形で続いている。

 文政権は、裁判には介入しない立場を強調してきた。だが、昨年5月の政権発足以来、各省庁に朴・李明博(イ・ミョンバク)両保守政権時代の「積弊」を調査する委員会を立ち上げさせ、検察への捜査依頼を連発。今年3月には、元大統領の李明博容疑者が逮捕された。

 矛先は保守色の強い歴史教科書の国定化にも向かい、教育省の調査委員会は3月末、政策推進過程に違法性があったとして、元高官らの捜査を要請した。旧保守政権の政策のあら探しに司法を使うことに歯止めをなくしつつある。

 一方、朴被告を大統領から引きずり降ろした「ロウソクデモ」を政権のよりどころとする文政権は、小学校の教科書へのロウソク集会の記載化を進めている。

 文政権は、朴被告の事件の背景に大統領への過度な権力集中があったとして、権限縮小を盛り込んだ憲法改正案を3月に国会に提出した。改憲案の発表で大統領府は「われわれはロウソク革命で新たな韓国を開いた」と強調し、左派イデオロギー色の強い過去の民主化運動の理念を憲法前文に明記しようとしている。

 保守系野党は、この動きに反発するが、改憲の対案さえまとめられず、朴被告の弾劾に絡む分裂以降、存在感を発揮できずにいる。

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