【虎のソナタ】東京五輪の侍に輝&中野いかが!? 虎これだけ強いと大量に選ばれるかも

 (セ・リーグ、ヤクルト5-11阪神、6回戦、阪神6勝、4日、神宮)五回終了時点で思った。これは無観客試合で良かったかも、と。この展開だと、神宮の虎党は相当に荒れるだろうなぁ…。完全に負けを覚悟した。典型的な負けパターンだったから。

 3イニング連続で併殺を喫した時には「プロ野球史上、毎回併殺なんて記録はあるんだろうか?」と超マイナス思考になったりもした。さすがに、そんな悲惨な記録は存在しないが。

 五回表。相手がミス続出で1点をプレゼントしてくれた。ところが、その裏、1死二塁からの三ゴロを処理した大山の、三塁ベースカバー・中野への悪送球…。

 ファンがスタンドを埋めていたら、間違いなく怒号が飛び交っていた。12球団の本拠地で唯一、試合後にファンの目の前を通って帰路に就く球場、それが神宮。あのまま、負けていたら、スタンドから怒りのメガホンが雨あられと投げ込まれていたかもしれない。

 昔の阪神の監督付球団広報担当は、乱舞するメガホンを空手チョップで叩き落す。それが神宮球場での一番大事な仕事。そんな時代もあった。

 ところが、今のタイガースは、こんな試合を勝ってしまう。

 「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」

 名将・野村克也さんの有名な言葉だが、阪神にすれば、あれだけ拙攻を繰り返し、タイムリーエラーをしたのだから、まさに「不思議の勝ち」。でも、ヤクルトからすれば、相手がヘタを打ちまくっているのに負けたわけだから、「不思議の負け」の気分か。

 トラ番記者が試合後のファンの暴れっぷりまで見張らなくてもいいわけで、無観客試合の数少ない利点ではある。とはいえ、タテジマの役者たちが、メガホンならぬアーチを乱舞させた痛快な試合。やっぱり東都の虎党に見せてあげたかった。

 試合前のこと。東京メトロ「外苑前駅」を降りて地上に出たトラ番サブキャップ・新里公章は改めて、緊急事態宣言が発令されている東京都内を実感した。

 「神宮でプロ野球が開催される日は、早くから大勢の人が往来しているんですが、無観客ゲームということもあって、人影もまばら。気温は24・5度。汗ばむ陽気で、最高の野球観戦日和の休日なのに…。昨夜は赤坂に泊まったんですが、あのにぎやかな街のお店は、ほぼ閉店。わずかに開いていた韓国料理屋さんでギョーザとチヂミを買って部屋でおとなしく食事でした」

 神宮球場へ歩を進めると、正面に見えてくるのは新装なった国立競技場。この夏、あの舞台で本当に五輪が行われるんだろうか。

 複雑な思いが交錯する中、「負け試合を強引に勝ち試合にしてしまう2021年版タイガース」の、とんでもない強さを見せつけられた。

 これだけ首位を独走しているんだから、五輪の日本代表に阪神から大量に選ばれたっておかしくない。そう思い始めると思いは止まらない。

 誰を送り込もうか。一気に夢が膨らむ。佐藤輝、中野のルーキーコンビ、いいねえ。梅野、近本、糸原も。岩崎も青柳も。

 だからこそ願う。どうか、コロナの感染が少しでも収まって、無事に五輪が開催されますように-。

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