あの杉下茂以来71年ぶり! 中日・根尾のプロ1号は満塁弾!!

 中日は4日、DeNA8回戦(バンテリンD)に8-4で勝利。「8番・左翼」で先発出場した根尾昂内野手(21)が、三回にプロ初本塁打となる満塁弾を放った。球団の日本選手では1950年4月21日(西日本戦)の杉下茂以来、実に71年ぶりとなる快挙を達成。2019年に大阪桐蔭高からドラフト1位で入団。3年目でついに飛躍へのきっかけをつかんだ。

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 本拠地に足を運んだ9679人の歓声が、地鳴りのようにこだまする。これがスターの弾道だ。根尾が3年目でプロ初アーチ。しかも、ど派手なグランドスラム。喜びをかみしめながら、ダイヤモンドを一周した。

 「すごく大きい声援だったので『ファンの期待に初めて応えられたな』というか…。とにかくドームが盛り上がってくれたのがよかったです」

 4-3の三回1死満塁。通算105打席目だった。DeNA先発、大貫が投じた内角への142キロを完璧に捉えた。白球は竜党が陣取る右中間席へ着弾。スタンドとベンチの祝福に笑顔で応えた。

 球団史に残るメモリアルアーチとなった。プロ初本塁打を満塁弾で飾ったのは、1950年4月21日の杉下茂以来、71年ぶり。両翼100メートル、フェンス4・8メートルで本塁打が出にくいとされるバンテリンドームでは史上初となった。

 名門、大阪桐蔭高では1年夏からベンチ入りし、3年時は投手&中軸の二刀流で春夏連覇を達成した。2018年秋のドラフト会議では4球団から1位指名を受け、大きな期待を背に中日に入団。しかし、1年目の1月に新人合同自主トレで右ふくらはぎ肉離れを発症。大半を2軍で過ごすと、2年目も出場はわずか9試合で2安打、打率・087と苦しんだ。

 勝負の3年目。期する思いは強かった。「レギュラーを奪取したい」。遊撃に専念したい考えも合ったが、オープン戦から外野での出場機会を増やし、初の開幕スタメンで起用された。ベンチでも相手打者の打撃を観察。「出たときに勝ちにつながる一打を」との思いで続けてきた努力がついに実を結んだ。

 ドラフトで交渉権を引き当て、見守ってきた与田監督は将来的に3番・根尾、4番・石川昂と東海地方出身の2人に中軸を託す青写真を明かし、待望の一発に「トドメを刺すような満塁ホームラン。見事でした」と賛辞を惜しまなかった。

 「2本目もしっかりチャンスで打てるようにやっていきたいです」と根尾。最高の形で決めた初アーチは、竜の明るい未来を予感させた。(箭内桃子)

■「フォークボールの神様」が祝福

 「フォークボールの神様」と呼ばれるレジェンド投手、プロ2年目の1950年に満塁弾でプロ1号を記録した杉下茂氏が、本紙の取材に祝福メッセージを寄せた。「あれだけ甲子園で活躍したのだから、いいものを持っている子。いつ(1号が)出るかなと楽しみにしていた」という。通算215勝の大投手は95歳となったが、「(1号を打ったのは)野本喜一郎という右投手。でも、周囲は驚かないし、騒がれもしなかったよ。明大では投手で5番、投げないときも『4番・一塁』で出ていて、打撃もいいのはみんな知っていたからね」と記憶は鮮明だった。

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