東京五輪で導入「バブル」方式でも無縁ではない感染トラブル

 新型コロナウイルス感染の収束が見通せない中で開催されることになる今夏の東京五輪。選手を感染から守り、大会を予定通りに開く上で切り札とされるのが、開催地を大きな泡で覆うイメージから名付けられた「バブル」方式だ。選手を、観客や運営スタッフ、メディアなど外部との接触から極力遮断する方式で、昨年来、米国のプロスポーツで一定の成果を挙げ、国際大会でも導入されてきた。だが、選手だけで1万人を超える五輪となると、効果のほどは未知数だ。選手以外の感染が運営に影響したケースもあり、解決策を見いだすのは容易ではない。 (上阪正人)

中継スタッフ感染で混乱

 4月9日早朝、女子ゴルフの国内ツアー大会、富士フイルム・スタジオアリス女子オープンの開幕を数時間後に控えた花屋敷ゴルフ倶楽部よかわコース(兵庫県三木市)は、てんやわんやの大騒ぎとなっていた。大会本部に午前5時45分、関係者の一人がPCR検査で陽性と判定されたと連絡が入ったからだ。

 コロナ感染が判明したのは選手でもキャディーでもなく、大会の中継を行う読売テレビのスタッフ。2日前の7日、コース内で中継機器のセッティング作業をした後、夜になって体調不良と38度の発熱があった。このため8日午後にPCR検査を受け、深夜に陽性が判明した。

 主催者側は保健所による濃厚接触者の有無の判定やコース内の消毒のためスタートを遅らせることを、スタート時刻のわずか10分前の7時20分に選手に通知。幸い、濃厚接触者はなかったが、プレーが始まったのは6時間半遅れの午後2時から。正午前にその連絡を受けた選手たちは宿舎などから戻ってプレーを始めたが、全員が日没までに第1ラウンドを終えられず、翌日に持ち越しとなった。稲見萌寧(21)は「まさか今日やるとは思わなかった。気持ちが入らないまま会場に来てしまった」とこの日のプレーを振り返った。

 スタッフは会場入りした際、体調に異常はなかったというが、読売テレビの隅田壮一取締役営業部長は「感染対策は厳重に行っていたが、この事態は大変重く受け止めている」と謝罪した。

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