JR脱線事故負傷者2人も聖火つなぐ 大阪リレー代替措置 

 東京五輪の聖火リレーは14日、大阪府吹田市の万博記念公園内の代替コースで行われ、新型コロナウイルス感染拡大で公道の走行を初めて中止した大阪府の異例のリレーは2日間の日程を終えた。計約170人のランナーの中には、平成17年4月のJR福知山線脱線事故の負傷者2人も。25日で事故から16年、車いす生活を送る2人は、それぞれの思いを聖火に託し、笑顔で駆け抜けた。

 大学への通学途中に事故に遭い、両足を失った林浩輝さん(35)は14日、聖火を運んだ。沿道に駆けつけた家族らに手を振りながら穏やかな表情で約200メートルを走り切り、「一生に一度しかない機会。人生の宝物にしたい」と話した。

 16年前は19歳の大学生。突如として日常を奪われ、心にも深い傷を負った。一時は人生の目標を見失ったが、「大学に戻りたい、納得する人生を送りたい」と前を向き、社会生活に復帰した。現在は会社員として働きながら、車いすバスケットボールにも取り組む。

 聖火に込めた願いは、誰もが社会参加できる「共生社会」の実現。「障害を持っているから、ということではなく一人の社会人として、これからも精いっぱい頑張っていきたい」と力を込めた。

 大阪での聖火リレー初日となった13日には、東京パラリンピックのアーチェリー代表に内定している岡崎愛子さん(35)も参加。事故では首を骨折するなどし、四肢にまひを抱えての生活を送ってきた。

 事故後は「せっかく助けてもらった命。何事にもまずは挑戦」と東京で一人暮らしを始め、アーチェリーの世界選手権で銅メダルを獲得するまでに。自国開催のパラ代表の座を射止めた。

 「16年間、たくさんの方に支えられてここまでこられた。感謝の気持ちを込めて走った」。完走後、晴れやかな表情を浮かべた。

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