片岡愛之助さん「忘れられない」 大阪、異例の聖火リレーがスタート

 新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、公道での開催を断念した大阪府の聖火リレーは13日、練習を重ねてきたランナーたちが家族らに見守られながらトーチを掲げ、代替コースとなった万博記念公園(吹田市)を静かに走った。13、14の2日間で大役を務める4人のランナーにそれぞれの思いを聞いた。

 ■片岡愛之助さん「勇気とパワーもらった」

 「聖火をつなげられてよかった。勇気やパワーをいただき、忘れられない一日になった」

 大阪府の聖火リレーの1番手を担ったのは歌舞伎俳優の片岡愛之助さん(49)。聖火のトーチを掲げながら周囲の関係者らに手を振り、完走後の取材に笑みを浮かべて語った。

 聖火ランナーには自らインターネットで応募した。

 「オリンピックは、スポーツだけでなく文化芸術の祭典でもある。そのオリンピックが日本にやってくるのなら、何らかの形で参加できればと思った」

 堺市出身。上方歌舞伎の旗手として活躍するほか、話題のドラマ「半沢直樹」などテレビや映画などでも幅広い人気を誇る。

 「走るときにまず思ったのは、ギリシャからはるばる来た聖火を次の人にきちんとつなぐこと。その中の一員に加われてうれしい」

 昨年からのコロナ禍で、関西の歌舞伎公演も中止が相次いだ。聖火リレーも当初は生まれ育った堺市内を走る予定だったが、変更に。「こういう状況ではやむをえない。その分、早く終息を迎えてほしい」

 オリンピックが提唱している世界平和、そして平等で差別のない世の中が実現することを願って走った。

 ■ハイヒール・リンゴさん「みんなが一つになれる」

 お笑いコンビ「ハイヒール」のリンゴさん(59)=大阪府枚方市出身=は、元気よく手を振りながら約200メートルを駆け抜けると、次のランナーに「頑張ってね」と声を掛けながら聖火を託した。開催都市に東京が選ばれたとき、いつもテレビ越しで見ていた世界が目の前に現れると思うと、何らかの形で参加したい思いが募った。

 「何かできへんかなと思って、解説者の枠を狙い、テレビで解説できる人が少なそうな競技に挑戦したこともある」と笑う。大会ボランティアに応募することも考えたが、仕事のスケジュールもあって断念。そんなとき、聖火ランナーの公募を知った。

 「オリンピックはスポーツができなくても、いろんな参加の仕方がある。みんなが一つになれるイベントだと思う」

 東日本大震災からの復興を掲げた五輪は今、新型コロナウイルスとの戦いの中にある。開催そのものへの慎重論も消えていない。平和の祭典を照らすトーチを持つ意味を見つめ直した。

 「どのような形の大会になっても、それは仕方がないこと」と語りつつ、開催を信じ、努力を重ねる人々の思いにも応えたいという。「ただのお祭りではない。コロナに負けない、諦めない人々のさまざまな願いがこもっていることを、かみしめている」

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