「蔵の街」栃木県栃木市、遊覧船でつなぐ 聖火リレー

 スタートの福島県に続き栃木県で実施された東京五輪の聖火リレー。初日の28日は足利、佐野、小山、茂木、栃木、上三川、真岡、那須烏山の6市2町約16・6キロを駆け抜けた。雨の降るあいにくの天候だったが、聖火ランナー92人は笑顔で沿道に手を振った。

 聖火ランナーは午前9時過ぎに足利市をスタート。「蔵の街」として知られる栃木市では、同市出身の俳優、石川恋(れん)さん(27)が聖火を手に巴波(うずま)川の遊覧船に乗り込んだ。

 地域の観光資源になっている遊覧船は、一昨年の台風19号で甚大な被害を受け運航休止を余儀なくされた。その後も新型コロナウイルスの影響が続く。しかし、その間も「船頭はリレー本番に向け練習を重ねていた」と、運航を担うNPO法人「蔵の街遊覧船」の職員は明かす。

 真岡鉄道は、聖火ランナーと並走した蒸気機関車(SL)の指定券が発売早々に売り切れた。同社総務課の竹前直さんは「リレーを通じてSLにも注目が集まれば」と期待した。

 29日の聖火リレーは那須町を出発、日光市の世界遺産「二社一寺」などを経て宇都宮市の県庁前にゴールする。

母校の地「楽しく走れた」

 聖火ランナーの一人、2008年北京五輪で陸上女子5千メートル、1万メートルに出場した赤羽有紀子さん(41)=芳賀町出身=は、母校の真岡女子高がある真岡市の最終走者を務めた。完走後の取材に「レースとは違う緊張を感じた。でも顔見知りが大勢手を振ってくれたので、楽しく走れた」と笑顔で語った。

 赤羽さんは真岡女子高から城西大を経て実業団のホクレンで活躍。結婚、出産後の五輪出場は「ママさんランナー」として注目を集めた。現在は城西大女子駅伝部コーチとして後進育成に励む。芳賀町は赤羽さんの練習コースを「赤羽有紀子ロード」と名付け、記念のマラソン大会を開いている。

 1年前、実施直前に決まった聖火リレーの延期。今回も「本当に行われるか、ぎりぎりまで心配していた」という。女子駅伝部も公式大会が相次いで中止となり、「選手のモチベーションを保つのが大変な1年間だった」と振り返る。

 新型コロナウイルスの感染拡大はなお不安だが、「リレーが始まったので、五輪もきっと行われるはず」と信じている。57年ぶりの日本開催が「若いアスリートの希望になれば」と期待を込める。(山沢義徳)

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