「森氏の院政」懸念の声も 橋本氏、重責担う「五輪の申し子」

 開幕が1年延期された東京五輪・パラリンピックの準備運営を担う大会組織委員会の新たなトップに橋本聖子氏が就いた。政官財とスポーツ界にまたがり、数多くの課題を解決に導いた森氏が去り、武藤敏郎事務総長が「準備に一日たりとも遅滞が生じてはならない」と危機感をあらわにしてから6日。開幕まで約5カ月となる中、新型コロナウイルス禍での開催実現へ、新体制には息つく暇もない。

 橋本氏を新会長に推す声は、早い段階から関係者の間で浮上していた。元トップアスリートというだけでなく、男女共同参画担当相も務めたその経歴は、組織委が目指す大会ビジョンとも重なる。国際オリンピック委員会(IOC)との個人的関係も構築済みで、比較的スムーズな体制移行が期待できる。

 一方で、自らを政治の世界に導いた森氏との関係の近さから「結局、森さんが院政を敷く形になるのでは」と疑う関係者もいる。決定までの数日間に数々の会長候補者が各メディアをにぎわしたことを考えれば、政治的な綱引きに巻き込まれる可能性もある。

 コロナ禍は世界の人々を苦しめ続けている。それでも、素晴らしい大会を開こうと東京都や国、関係自治体と「オールジャパン体制」で積み上げてきた7年余の準備を無駄にするわけにいかない。

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