J2磐田、ゴン中山の入閣は“苦肉の策” J1復帰への補強進まず、監督昇格もある?

 サッカーJ2磐田は13日、OBの元日本代表FW中山雅史(53)がコーチに就任すると発表した。2015年から選手登録されていたJ3沼津を退団し、12年ぶりに古巣に電撃帰還した舞台裏には、かつての強豪の寂しい事情がある。

 かつてともに「ドーハの悲劇」を味わった日本代表・森保一監督(52)も「全く知りませんでした。驚きです」と目を丸くした。中山は、来月27日にJ1開幕戦で54歳になる横浜FCのFW三浦知良を常に意識し、「カズさんより先に引退するわけにはいかない」と公言してきた。沼津の公式サイトで「現役選手のトレーニングをひとまずやめて、磐田のコーチとして活動することに決めました」と事実上の引退を表明し、コーチとして古巣に復帰することは、多くの関係者にとって寝耳に水だった。

 サプライズ入閣の仕掛け人は、磐田で強化本部長を兼任している鈴木政一監督(66)だ。2000年代にも4季監督を務め、中山やMF名波浩や福西崇史ら、代表の主力勢による華麗なパスサッカーで黄金期を築いた。

 5季ぶりにJ2に降格した昨季は外国人補強がことごとく失敗。シーズン後半の10月には鈴木監督が奔走し、G大阪からレンタル移籍で元日本代表MF遠藤保仁(40)を緊急補強したが、6位止まりでJ1昇格を逃した。このオフも生え抜き選手の放出が続き、J1復帰に向けて有効な補強は進んでいない。

 サポーターやスポンサーを納得させるだけの新戦力の獲得に至らず、代わりに白羽の矢を立てたのが名物OBだった。鈴木監督の猛アタックが実り、中山は「J1昇格に向けて、鈴木監督を全力でサポートしていきます」と磐田の公式サイトで意気込みを語った。

 かつては憎らしいほど強かった名門にとっては、苦肉の策。中山は昨年、現役選手として初のS級ライセンスを取得しており、今季途中の監督昇格もあり得る。 (編集委員・久保武司)

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