羽生結弦が祈りの舞い!コロナ禍の世界に「春よ、来い」/フィギュア

 フィギュアスケートの全日本選手権上位選手らによるアイスショー「ニチレイプレゼンツ オールジャパン メダリスト・オン・アイス2020」(産経新聞社など主催)が28日、長野市ビッグハットで開かれ、5年ぶりに王者となった羽生結弦(26)=ANA=が激動の1年を締めくくった。女子で2連覇した紀平梨花(18)=トヨタ自動車=は4回転サルコーを自信に来年3月の世界選手権(ストックホルム)に臨む。

 かつてない1年を締めくくった。「春よ、来い」のピアノ曲で、羽生が情感豊かに舞う。新型コロナウイルス禍で苦しんだ自らを救ってくれたという松任谷由実の一曲に、強い気持ちを込めた。

 「この世の中に一番伝えたいメッセージだった。少しでも心が温かくなるような演技がしたかった」

 2月の四大陸選手権で男子初のスーパースラム(主要6大会制覇)を達成。この頃からウイルスが世界で広まり、翻弄されながらも練習を続けてきた。拠点のカナダに戻れず、国内で活動。日本オリンピック委員会のSNSなどを通じ、世の中を励ますようなメッセージの発信を重ねた。

 約10カ月ぶりの実戦だった全日本選手権では5年ぶりに王座奪還。ショートプログラムではロックナンバー「レット・ミー・エンターテイン・ユー」、フリーでは和テイストの「天と地と」を熱演した。「一人一人に今まで以上の拍手を送ってくださり、大会を作ってくださった」。年の瀬のショーに詰めかけた観衆の前で感謝を口にした。

 オープニングでは、この日に映画の国内興行収入が歴代1位となったアニメ「鬼滅の刃」の主題歌「紅蓮華」に合わせ、出演者たちと華麗な滑りを披露。フィナーレでは紀平とともに片手の側転を決め、喝采を浴びた。

 来年3月の世界選手権で日の丸を背負う。「今季のプログラムはショートとフリーでギャップがある。その二面性を楽しんでいただけたら。何よりフィギュアスケート自体も楽しんでもらえたら」。主役は深々と一礼し、ファンを前にした2020年の銀盤に別れを告げた。(鈴木智紘)

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