紀平梨花、4回転サルコー初成功!「一歩進めた」大一番で大技決めた/フィギュア

 フィギュアスケート・全日本選手権最終日(27日、長野市ビッグハット)女子はショートプログラム(SP)首位の紀平梨花(18)=トヨタ自動車=がフリーで4回転サルコーを初めて成功させて154.90点で1位となり、合計234.24点で2連覇した。全日本で女子の4回転ジャンプ成功は、同じ会場の2003年大会で初優勝した安藤美姫のサルコー以来17年ぶりで史上2人目。アイスダンスは前日のリズムダンス(RD)で2位につけた注目の村元哉中(かな、27)、高橋大輔(34)=関大KFSC=組がフリーで3位となり、合計151.86点で2位だった。

 これまでとは違う。紀平が攻めた。冒頭。切れ味鋭い4回転サルコーを決めた。3・19点もの加点を引き出す出来栄えだ。実戦初成功で2連覇を手繰り寄せ、得点を待つキス・アンド・クライで、両手でVサインを作った。

 「跳ばないと次に進めない。(2022年の)北京五輪に向けて、試合で決めたい気持ちが強くて、今までの全ての行動があの一瞬につながってうれしい」

 約10カ月ぶりの実戦。新フリーはピアノ曲「Baby God Bless You」で、人気ピアニストの清塚信也氏が手掛けた。はかない旋律に乗り、観衆の視線を銀盤に引き込む。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)も着氷し、合計で234・24点をマークした。

 昨年は大技の投入を演技直前まで迷い、勝負に徹して回避。今回は安全策を講じるつもりはなく、全日本の女子では2003年大会の安藤美姫以来となる4回転の成功者となった。

 元世界王者のステファン・ランビエル氏に師事し、スイスで強化を図ってきた。バレエやダンスといった陸上トレーニングでも追い込み「毎日筋肉痛だった」。太ももの筋肉はたくましさを増し、ジャンプに高さが生まれるようになったという。

 手本の一人が、抜群の美しさを誇る羽生結弦だ。繰り返し映像を見ては、踏み切りの技術を吸収してきた。ジュニア時代から習得を目指してきた4回転。感覚に狂いが生じ、3回転サルコーが跳べなくなった時期もある。努力を重ねてついに成功させ、世界選手権の切符もつかみ取った。

 世界を席巻するロシア勢は複数の4回転を操る。「一歩進めた。世界選手権が開催されれば、ショート、フリーともに、これ以上ない演技ができたら」。殻を破った18歳が、新たな武器を手に強敵に食らいつく。 (鈴木智紘)

★サルコージャンプ

 利き足の逆足のインエッジに乗って後進し、フリーになっている利き足を前へ振って両足を「ハ」の字のようにして踏み切る。通常は左インエッジに乗って右足を前へ振る。空中で左回りし、右足アウトエッジで着氷。1901年から世界選手権で10連覇を果たしたウーリッヒ・サルコー(スウェーデン)が創作した。全6種類のジャンプの中でトーループに次いで難度が低い。

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