大林素子氏が明かす“切り裂き事件” 88年ソウル五輪 ソ連撃破前の意識改革

 【サンスポ評論家 ここだけの話】Vリーグが開幕し、今月下旬からは来年1月に行われる全日本高校選手権(春の高校バレー)の地区代表が続々と決まるなど、本格的に動き出したバレーボール界。本紙評論家で元女子日本代表の大林素子氏(53)も取材や解説で東奔西走する。そんな大林氏が語った現役時代の「思い出の一戦」は、自身が初めて五輪に臨んだソウル大会の初戦、1988年9月20日のソ連戦だ。青春をかけた試合で最大のライバルから勝利をもぎ取ったが…。(取材構成・只木信昭)

 ソウル五輪前は「すべては(初戦の)ソ連戦のために」と生きていました。つらい練習を死ぬほど頑張り、泣いて、すべてをかけていました。

 練習では連日、ソ連選手のゼッケンを付けた男子コーチが、オギエンコやスミルノワのプレーを完璧にまねて相手をしてくれていました。

 “事件”が起きたのは大会1カ月前から始めたシミュレーション中のこと。試合1週間前にソウル入りした想定で、現地での練習時間に合わせて練習をして、“当日”には男子コーチの仮想ソ連と試合をしました。本番と同じようにユニホームを着て、きちんと入場もしての試合で、結果はフルセット負けでした。

 (主将の丸山)由美さんや(中田)久美さんと「悔しいけど本番では絶対に勝ちましょうね」などと話していたら、先生(山田重雄監督)から呼び出されました。先生は整列した私たちの前で、ハサミでネットを切り裂いたのです。さらにボールすべてにキリで穴を開け、けり飛ばしました。

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