正代、謹慎の時津風親方が特別に大関昇進伝達式出席へ/秋場所

 初優勝ばかりではない。ワンチャンスで大関昇進もかかる大一番。前夜、寝床に入ったのは午前0時前だったが、無理して眠ろうと目を閉じると「相撲のことが頭をよぎって。緊張して全然寝つけなかった」。最後に携帯電話の時間を確かめると、明け方の午前5時だったという。

 1月の初場所、7月場所ではともに千秋楽まで賜杯を争いながら、一歩及ばなかった。今場所は「優勝争いの経験ができたことが大きかった。15日間、ペースをかえず、気持ちの持っていきかたとか…」と生かした。

 大関昇進では先をこされた貴景勝、朝乃山の両大関も粉砕した。「2人とも年下。世代も離れていない。意識もするし、悔しくないといったらウソになる」と明かす。

 正代の師匠、時津風親方(46)=元幕内時津海=は場所前、不要不急の外出を禁止した協会の新型コロナウイルス対応ガイドラインに違反し、秋場所を謹慎とされた。10月1日の定例理事会で処分される見込みだが、正代の昇進に伴い、30日には使者を迎える昇進伝達式が行われる。関係者によれば、公式行事で慶事であることも考慮し、特別に師匠の出席を認めることになった。

 30キロの賜杯を初めて抱いた正代は「重かった」。「相撲の神様」といわれた大横綱双葉山(のちの時津風親方)が開いた「双葉山相撲道場」を源流とする現在の時津風部屋からの優勝は、昭和38年名古屋場所の大関北葉山(のちの枝川親方)以来57年ぶり。

 枝川親方は生前、双葉山の時津風親方から褒められたことは「土俵人生で3度しかない。1度は優勝のとき。『よくやった』と」。あまり褒めない時津風親方が生きていたら、正代にも同じ言葉をかけてくれるに違いない。(奥村展也)

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