隆の勝、たたき上げ3連勝!中卒で入門…関取までに7年半/秋場所

 大相撲秋場所4日目(16日、両国国技館)西前頭筆頭の隆の勝(25)が、新関脇大栄翔(26)を押し出して3連勝。白鵬、鶴竜の2横綱が休場しており、関脇以上との対戦を終えて3勝1敗とした。出場している力士では最高位となる両大関は今場所初の安泰。朝乃山(26)は北勝富士(28)を寄り倒し、初白星。貴景勝(24)は玉鷲(35)を押し出して、3勝目。全勝は阿武咲(24)、新入幕の翔猿(とびざる、28)と早くも平幕2人となった。4日目終了時点で全勝が平幕だけになるのは、4人だった1月の初場所以来。

 腰の構えが、相手より一段低い。休まず、足も手も動く。自己最高位まで番付を上げた隆の勝が、突き押しが武器の大栄翔に押し勝って3連勝。序盤戦から勢いをつけた。

 「(相手の)突きを止めることだけを考えて。落ち着いて取れた」

 突き合いから、いなして相手のバランスを崩すし、押し込んだ土俵際。右手ははず押し、左手で腹を押し込む快勝だった。2日目から大関朝乃山、関脇御嶽海、新関脇大栄翔も飲み込んだ。2横綱が休場し、同じ千賀ノ浦部屋に所属する大関貴景勝との取組はないため、関脇以上との対戦を終えて3勝1敗。「こんなに勝てるとは思わなかった。調子よく、積極的な相撲が取れている」と自画自賛した。

 この日、菅義偉・自民党総裁が国会で首相に指名され新内閣が発足した。菅総理は自らを「無派閥・たたき上げ」と呼ぶが、土俵にも「たたき上げ」はいる。中卒で大相撲に入門した力士を指し、今場所42人の幕内力士のうち10人の外国出身を除く32人中、中卒はわずか8人。そのなかで西前頭筆頭の隆の勝は、“出世頭”だ。

 後半戦の土俵下で審判長を務めた錦戸親方(元関脇水戸泉)は突き押しが得意の貴景勝の稽古相手となり、「器用なほうではないが、自信をつけ、圧力もついてきている」と分析する。その貴景勝は8月末に婚約を発表。隆の勝の姉、里佳さんも7月場所後に結婚した。同場所で勝ち越して結婚式に臨んだ隆の勝は場所前の電話取材に「幸せな運気を自分ももらって(秋場所では)いい成績を残せたらと思う」。

 初土俵から平成29年九州場所で新十両になるまで約7年半を費やした男だが、今場所は“機を見るに敏”。政治と土俵のキーワードが合致する。(奥村展也)

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