大谷、今季二刀流窮地…右腕異常 専門医が指摘「4つの可能性」

 【アナハイム(米カリフォルニア州)2日(日本時間3日)=丹羽政善通信員】米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平投手(26)が今季2度目の先発となったアストロズ戦で、1回2/3を無安打2失点、5四球と崩れた。試合後には右腕の違和感を訴えて、磁気共鳴画像装置(MRI)の検査を受けた。2018年10月に右肘内側側副靱帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受け、投手として再スタートしたばかりだが、早くも二刀流挑戦が暗礁に乗り上げた。

 表情が明らかに険しくなった。右肘の靱帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)から復帰2戦目の先発マウンドに上がった大谷の右腕に再び異常が発生した。

 マドン監督は試合後、「疲労ではないか」と説明したものの、その後に球団広報から「大谷選手は右腕に違和感を訴えたため、MRI検査を受けた。すでに球場を離れた」と発表された。

 693日ぶりに公式戦で登板した7月26日(日本時間27日)のアスレチックス戦から中6日。初勝利が期待されたマウンドは三者凡退とした一回から一転、二回は42球も費やした。

 先頭から3者連続で四球。2三振を奪った後に2つの押し出し四球を与えた。しかも降板直前には、最速97マイル(約156キロ)をマークしていた直球が89・7マイル(約143キロ)にダウン…。真夏のデーゲームながら、回の合間にはベンチで珍しく右腕に上着を掛けて待機する姿もあった。

 2日(同3日)時点で右腕の故障箇所などは球団から発表されていない。これまで多くのトミー・ジョン手術を執刀してきた川崎市の「ベースボール&スポーツクリニック」の馬見塚(まみづか)尚孝医師は、本紙の取材に「詳細が発表されていないのでコメントはしづらいが」とした上で、「4つの可能性がある」と指摘した。

 〔1〕靱帯の再断裂

 〔2〕骨に靱帯を通す穴を開けた箇所の骨折(術式の進化で最近はあまり聞かない)

 〔3〕前腕屈筋群の肉離れ

 〔4〕手術によって癒着した組織が剥がれる

 〔1〕、〔2〕と比べれば〔3〕、〔4〕は比較的軽症といえるが、コロナ禍の今季は60試合制。前例のないシーズンで真剣勝負のマウンドは、難しい状況となった。

 開幕前のキャンプでは紅白戦初登板後に腰の張りを訴え、「やっぱり久々の張りは来る。強度が上がれば、なおさらそういうのは来るのかな」と語っていた。

 2018年6月6日のロイヤルズ戦では本拠地での登板後に異変を訴え、右肘の靱帯損傷が明らかになった。さらに復帰戦となった同年9月2日のアストロズ登板でも途中から球速が落ち、靱帯に新たな損傷が発覚して、手術に至っている。

 16年5月28日にトミー・ジョン手術から復帰したダルビッシュ(カブス、当時レンジャーズ)も3戦目に右肩付近に違和感を覚えて降板。「トミー・ジョン手術を受けた選手にこのような問題が生じることは、よくあると聞いてます」とコメントしている。

 打者としても今後の出場は未定。投打二刀流の完全復活を目指していた大谷に、厳しい現実が突きつけられた。

★右肘手術以降の大谷

 ◆2018年10月1日 右肘内側側副靱帯再建手術を受ける。

 ◆19年5月7日 打者復帰。

 ◆6月26日 術後初ブルペンで43球。

 ◆9月13日 左膝蓋骨の除去手術を受ける。

 ◆10月上旬 キャッチボール再開。

 ◆20年2月23日 キャンプで初のブルペン入り。20球。

 ◆3月13日 新型コロナウイルス感染拡大でキャンプ中断。

 ◆5月下旬 打者を相手にした投球練習再開。

 ◆7月3日 キャンプ再開。ブルペンで37球。

 ◆7日 術後初の紅白戦に登板。3イニング相当、50球を投げたが1死しか取れず、7四球。

 ◆同12日 紅白戦に「3番・DH」で出場し、今季初本塁打となる2ランを放つなど、3打数2安打2打点。

 ◆同13日 紅白戦に登板し、打者15人に2安打1失点、1三振5四死球。

 ◆同19日 紅白戦に登板し、打者22人に5安打無失点、6奪三振4四球。

 ◆同24日 アスレチックスとの開幕戦に「3番・DH」で出場し、一回に中前打を放つなど5打数1安打。

 ◆同26日 アスレチックス戦で693日ぶりの公式戦登板。1死も奪うことができず、3安打3四球、自己ワーストの5失点で降板。

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