寺本明日香、羽生の“名曲”で「終わりたい」大けがから奇跡の復活へ/体操

 体操女子で左アキレス腱(けん)断裂から復活を目指す寺本明日香(24)=ミキハウス=が15日、オンラインで取材に応じ、フィギュアスケート男子の羽生結弦(25)=ANA=がフリーで舞った「Origin」を東京五輪で演じる床運動の曲とする考えを明かした。冬季五輪2連覇の王者が強い思い入れを持つ一曲で、競技人生を表現する。

 絶望感を味わった床運動で、最後の最後に笑う。大けがからの復活を期す寺本は、勝負のナンバーを心に決めている。

 「この曲で終わりたい。(東京五輪で)踊り切るのが目標です」

 その曲こそ「Origin」。羽生が昨季途中まで演じたフリーだ。冬季五輪王者は敬愛するエフゲニー・プルシェンコの代表曲をモチーフに、起源を意味する題を命名。2季連続で使用したほど思い入れは強い。

 体操女子の第一人者は、試合を生観戦するほどのフィギュアスケートファン。音楽に乗って芸術性や感情を表現する点は床運動と共通する。「床は(人生を)語る演技がしやすい」。そこで選んだのが、右足首のけがを乗り越えて平昌五輪を劇的に制した不屈のスケーターの一曲だった。

 左アキレス腱(けん)を断裂したのは、東京五輪の延期が決まる前の2月。床運動の練習中だった。生命線の足首にメスを入れ、全治半年を告げられた。「アキレス腱が切れるイコール終わり。諦めないと、おかしくなりそうでした」。現役引退が脳裏に浮かんだ。

 「やらなかった後悔の方が地獄だよ」。師事する岡崎美穂コーチらの言葉が、沈む心にしみわたった。必死にリハビリを続け、少しずつ技を実施できる状態まで回復。9月の全日本シニア選手権(高崎アリーナ)での復帰を見据える。

 体操女子としてはベテランの24歳は3大会連続出場を目指す。「人生を語る演技がしたいという目標でやってきた。(けがで)さらに語るものができる。魅力を出せる演技がしたい」。東京で咲く花となる。(鈴木智紘)

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