止まらない!セ・リーグの“地盤沈下” パの主力選手ズバリ「投手のレベルが違いすぎる」 移籍先はパかメジャー…FA選手に見向きもされず?

 ■巨人・原監督DH導入提言も賛否の声すら上がらず

 日本シリーズでも交流戦でも、パ・リーグにやられっ放しのセ・リーグ。さらに今オフは国内FA権取得のルールが現行制度になって以降、初めてセ球団に移籍する選手がゼロとなりそうだ。向上心のある一流選手からそっぽを向かれ、来季も“パ高セ低”に待ったをかけるどころか、セ界の地盤沈下が止まらない。打開策として、巨人・原辰徳監督(61)がDH制導入を提案しても反応は鈍く、まるで危機感の薄いセ・リーグにつける薬はあるのか。 

 今季開幕前の夕刊フジ順位予想。夕刊フジ巨人番記者の笹森倫は「優勝には巨人を推すが、原監督の復帰で即V奪回では、過去3年間のセ・リーグが陳腐に見えてしまうので、予想が外れるのが望ましい」と言及したが、まんまと陳腐さをさらけ出す結果となった。

 しかもセ・リーグ代表の巨人が、日本シリーズではソフトバンクに4戦全敗。これでセ球団のシリーズ敗退は7年連続となり、1950年の2リーグ分裂後のワースト記録更新が止まらない。15年続く交流戦でも、セがパに勝ち越したのは1度だけで、10年連続負け越し中。近年のパ優勢は誰の目にも明らかだ。

 セ・リーグを制し最優秀監督賞に選ばれた原辰徳は、先月26日にNPBアワーズの受賞スピーチで複雑な思いを吐露。「セ・リーグはパ・リーグになぜ負けるんだ、弱いと言われることがないように頑張っていきたい」と抱負を語ったが、来季の見通しも暗いと言わざるを得ない。

 各球団とも戦力アップどころか、主力の流失が後を絶たないのだ。巨人は今季投手部門3冠の山口が米大リーグ・ブルージェイズへの移籍が決定的で、大黒柱の阿部も引退。DeNAでは主砲の筒香がレイズに新天地を求めた。広島は不動の二塁手の菊池涼が、やはりメジャー挑戦を模索している。阪神は勝利の方程式からジョンソンとドリスがそろって消えた。ヤクルトは主砲のバレンティンが「優勝できるチーム」を求め、よりによって3年連続日本一のソフトバンクに移った。

 セ・リーグの退潮はFA選手の移籍先選びにも影響を与え始めている。今オフに国内FA宣言して所属球団を変えた美馬(楽天→ロッテ)、鈴木(ロッテ→楽天)、福田(ソフトバンク→ロッテ)は、いずれもセ球団からの条件提示も受けながら、パ・リーグに新天地を求めた。

 海外FA権を行使した西武・秋山は、メジャー球団との交渉次第では国内残留の可能性を残すが、獲得調査をしたセ・リーグ球団の編成関係者は「秋山の選択肢に、はなっからセ・リーグはないよ」と断言する。

 ■「投手のレベルが違いすぎる」

 秋山にもそっぽを向かれ、FA市場でセ・リーグ球団に移籍する選手がゼロに終われば、04年以来。FAが現行制度に改定された08年以降では初だ。すっかり不人気となった背景について、FA権を保有するパ球団のある主力選手は、シビアな現実を語る。

 「僕もセ・リーグに行きたいとは思わないですね。明らかにレベルが落ちるところには、わざわざ行きたくない。交流戦で感じるのは、先発投手のレベルの差ですよ。真っすぐの球速が全然違う。今のままでは自分のレベルを試したいとか、より高くに行きたいと考えている選手が、セ・リーグを目指すことはないんじゃないですかね」

 向上心を持つ一流選手ほどメジャーを目指し、さもなければパに残って戦い続ける時流。パの一流どころを引っ張って、セ・リーグのレベルを引き上げる“外注スタイル”も限界に来ている。

 伝統球団を率いる原監督の危機感は強い。「結果的にパ・リーグにセ・リーグは歯が立たない。じゃあ、何が違うか。大きなルールとしてDHの利がある。投手をすごく強く育てることができる。ルールを統一することはとても大事」。前出パ・リーグ某主力選手と同じく、まず投手のレベルが違うとの認識だ。

 「パの投手は内角、どんどんくるもんな。セの投手は自分が打席に立つということで、何かエクスキューズ(言い訳)がある気がするね」。打席で報復を受けるリスクがないからこそ、パの投手は打者の内角に強い球を投げ込む鍛錬に、大きな意義を見いだせるのだ。

 セ・リーグにも導入されれば、「野球が変わりますよ。投手だって厳しいボール、行くようになる。そこの中で打者は安打にしていかないといけないわけだから」。75年にDHが導入されたパ・リーグは、44年間にわたるこうした投手と打者の切磋琢磨により、セに大きな差をつけるに至ったということか。

 原監督は「僕が言っても、セ・リーグの人も賛成だとか反対だとか言ってくれない」と議論の俎上にすら上がらない現状に歯がゆさを募らせる。交流戦の通算成績を見ると、セで勝ち越しているのは勝率・525の巨人のみ。今年も11勝7敗と意地を見せた巨人より、さらに弱いセの他球団はいつまであぐらをかいているつもりなのか。

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