宇野、楽しさ表現し4連覇 「自分の演技を貫けた」

 演技を終えると、思わず笑った。安堵のような表情が浮かぶ。「最後まで自分の演技を貫けた」。降り注いだ大声援に、頭を下げながらリンクを後にした。

 会心の演技とまではいかなかった。冒頭からジャンプに苦戦した。4回転フリップをこらえて着氷すると、続く4回転トーループも耐える形に。それでも、「ぎりぎりで降りられて良かった」と焦りはなかった。

 後半は、時折笑顔を見せながら、全身で楽しさを表現した。何より、「自分のスケートが戻ってきた」とのうれしさがあった。

 それを気づかせてくれたのが、臨時コーチとして今大会に同行した元世界選手権王者、ステファン・ランビエル氏の存在だ。今季はコーチ不在で迎えたが、年明けから正式に指導を仰ぐ見通しになった。

 GPシリーズ第3戦のフランス杯では8位と“どん底”を味わっただけに、「スケートを楽しむ練習をさせてくれるように戻してくれた、かけがえのない存在」。安心感も加わって、のびのびと銀盤上で舞うことができた。

 五輪王者の羽生を抑えての4連覇には、「今回の結果は、偶然のところがたくさんあると思う」とあくまで謙虚に語る。代表に決定した世界選手権に向け、「試合が楽しみになるような練習をして臨みたい」と力を込める。復活を遂げた22歳に、もう迷いはない。(久保まりな)

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