羽生、「世界選手権」で4回転半“解禁”宣言!打倒チェンへユヅは“魔法”を使う/フィギュア

 【トリノ(イタリア)8日=鈴木智紘】フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルで男子2位だった羽生結弦(25)=ANA=がフリーから一夜明けて当地の会場で取材に応じ、来年3月の世界選手権(カナダ・モントリオール)でのクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)投入を視野に入れた。3連覇を許したネーサン・チェン(20)=米国=との再戦に向けて、超大技を完成させる。ジュニアGPファイナルを制した15歳の佐藤駿(埼玉栄高)は敬愛する羽生の背中を追う。

 宝刀を研ぎ澄まし、振りかざすときが来る。前日7日に25歳になり、報道陣からバースデーケーキを贈られた羽生が、新たな誓いを立てた。にらむのは来年3月の世界選手権。あと3カ月で4回転半ジャンプを作り上げ、プログラムとしてまとめるつもりだ。

 「はい、頑張ります。そのつもりで。4回転半は王様のジャンプ。それをやった上で、スケーターとして(演目を)完成させられるものにしたいです」

 前日のフリーでは、現行ルールで初めて4種類5本の4回転を投入。全て成功させたが、宿敵チェンに43・87点差で3連覇を許した。巻き返しに向けて、前人未到の超大技投入を目指す。

 舞台は幼少期から憧れた2006年トリノ冬季五輪と同じ銀盤だった。ショートプログラムで好敵手から後れを取り「99%」勝てないと悟ったという。

 「トリノという特別な舞台。ここで何かを残さないといけない使命感があった」。GPシリーズに集中するため、世界で誰も成功していない4回転半の練習はここ1カ月控えてきた。それでも、ファンも見守った公式練習で初披露。回転が不足したものの、近い将来の完成を予感させた。

 「アクセルは王様のジャンプだよ」。幼少期に師事した都築章一郎コーチの言葉を今も胸に刻む。ただ跳ぶだけでは心は満たされない。フィギュアスケートは「ジャンプ大会じゃない」。目指すは表現面との両立。全6種類のジャンプで最も高い基礎点12・50の超大技を含めた演目として完成させる。

 19日に開幕する全日本選手権(国立代々木競技場)をはさみ、チェンとの再戦が訪れる。この日のエキシビションに向けた練習の際には、ともに戦ったスケーターたちからバースデーソングを贈られた。「ここからはい上がって、勝てるように」。新たに始まる1年でも、とことん勝利にこだわる。

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