酒豪アイルランド、日本でも本領 ビール4杯、5杯 観戦ファンらぐいぐい ラグビーW杯

 連日の熱戦に盛り上がるラグビーワールドカップ(W杯)日本大会。強豪国を中心にビール好きが多く、かねてから懸念されてきたのが会場周辺のビール不足だ。中でも注目されたのが、国民1人当たりのビール消費量が出場国中トップで、日本の約2・4倍というアイルランド。酒豪ぶりはどれほどなのか。同国代表の試合があった3日夜、神戸市内の会場周辺でファンらの行方を追った。(木下未希)

 アイルランド-ロシア戦が行われたノエビアスタジアム神戸。開始2時間前、雨が降っていた会場周辺のコンビニや飲食店は、アイルランド代表の緑を基調にしたユニホーム姿のファンらであふれかえった。

 アイルランドから来日し、家族とともにコンビニでビールをまとめ買いしていたケラン・ブロンドンさん(60)は「(同国代表が)日本戦には負けてしまったが、日本のビールは水質もよく最高。アサヒにサッポロ、プレミアム…。このビールで5杯目だよ」と話し、ビールを口に流し込んだ。

 午後7時15分に始まった試合は、世界ランキング4位のアイルランドが華麗なパス回しやフェイントで同20位のロシアを翻弄。トライを量産し、会場は大きな歓声に包まれた。

 スタンドのアイルランド人ファンらは、トライの度に売り子に次々と1杯700円のビールを注文。ハーフタイムにはビールの売店に長蛇の列ができた。スタンドをせわしなく回っていた売り子の大学2年、西野彩花さん(19)=大阪府河内長野市=は「1人で5杯注文する人もいれば、注文してもあっという間に飲み、すぐ注文する人も多い。すごく忙しい」と額の汗を拭った。

 試合はアイルランドが35-0で完勝。スタジアム周辺の飲食店では終了直後からアイルランド人ファンらがジョッキ片手に喜び、杯を交わしながら肩を組んで歌っていた。試合に備えて大量のビールを用意していたという会場西側の焼き鳥店「千鳥」では、ビールの注文が普段の3倍以上もあり、午後11時半の閉店を待たずに完売してしまった。

 アイルランド出身で横浜市在住の会社員、マシュー・ハノンさん(38)は「勝った後のビールは最高。4杯飲んだけど、せっかくだからもう少し飲んでから帰るよ」と笑顔で話していた。

 ■売り子も活躍

 実際にビールは足りているのか。大会期間中、会場ではスポンサーのハイネケンがビールを独占販売。大会組織委員会によると、スタジアムでは売り場で一時的に売り切れが生じたケースもあったが、目立った不足は生じていないという。

 ビールをスタンドで売り歩く「売り子」も全国12の試合会場のうち岩手・釜石をのぞいた11会場で稼働。観客が席を立ちにくい試合中もビールを届ける。

 大会組織委は、ビールの消費が多い外国人ファンの来日に備え、事前に開催都市で説明会を開くなど準備を重ねてきた。試合の前後には、会場周辺の飲食店や路上でビールを楽しむ外国人も多いが、現在のところ満足いく“おもてなし”が提供できているようだ。

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