母国サモアに勝つことがラファエレの恩返し!燃える外国出身15選手の大和魂/ラグビーW杯

 ラグビー・日本代表合宿(1日、東京都内)W杯1次リーグA組第3戦のサモア戦(5日、豊田スタジアム)に向けて、午前中に練習。サモア出身で日本国籍を取得したCTBラファエレ・ティモシー(28)=神戸製鋼=が会見に出席し、祖国相手でも「いつもと同じように準備したい」と“平常心”を強調した。日本は代表31人中、外国出身選手は6カ国から過去最多の15人。壁を越えて桜のジャージーに袖を通し、「ワンチーム」となって8強入りに挑む。

 イケメンの“アシスト王”は、普段の物静かなたたずまいを崩さない。アイルランド戦勝利の感想をあらためて聞かれたCTBラファエレは、マイクに向かっても「チームに自信はついたが、何も変わることはない。いつもと同じように次に向けて準備する」と柔らかな表情で話した。

 チームただ1人のサモア出身。祖国との激突は、8強入りへ落とすわけにはいかない一戦となるが「サモアにいる家族にとっては特別な試合だろうが、僕は普段の試合の一つとして準備するだけ」と、感情をあらわにすることもなかった。

 ラグビーはサッカーなど他競技に比べ代表資格に寛容で、日本も1987年の第1回W杯から多くの外国出身選手が桜のジャージーに袖を通した。ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(49)も99年大会に日本代表で出場。今大会は日本史上最多15人の外国出身選手がいる。

 日本を含め7カ国で構成される“多国籍軍”。彼らを一つにまとめるのが「One Team」(ワンチーム=一つのチーム)のスローガンだ。

 13年に日本国籍を取得したFLリーチ主将はミーティングで自作の画像を用意し、浮世絵や歌舞伎などの日本文化を講義。「君が代」の歌詞をローマ字に直して覚え、試合では全員で歌う。7月の宮崎合宿では「さざれ石」を全員で見学した。

 2年前に日本国籍を得たラファエレはアイルランド戦の後半18分、WTB福岡のトライを演出するクイックパスなど、チャンスメーカーとしての動きが光る。今年日本代表入りしたLOムーアは2戦連続フル出場。アイルランド戦ではチーム最多の24タックルを記録した。

 「グローバル」と「ローカル」を合わせた「グローカル」という造語をつくり、メンバー外も含め献身的なサポートをした選手に贈る賞の名前にもなっている。さまざまなバックグラウンドを持つ「ダイバーシティー」(多様性)の象徴といえるチームが、8強を決めて世界へ躍り出す日も、もうすぐだ。 (田中浩)

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