ラグビーW杯 スクランブル発進の福岡、逆転トライ

 WTB福岡は左タッチラインぎりぎりの位置で息を潜め、その時を待っていた。後半18分、相手ゴール前のスクラムからSH田中は素早くCTBラファエレへパス。「あうんの呼吸。(ボールが来ると)分かっていた」。相手マークをひきつけたラファエレから受けたボールを福岡は左脇に大切に抱え、追いすがるアイルランド守備を振り切りトライを奪った。「いい形でつないで奪えた」。勝利を呼び込むトライに白い歯を見せた。

 日本の得点源と期待されながら、万全とはいえないコンディションで開幕を迎えた。大会直前の南アフリカ戦で右ふくらはぎを痛め、20日のロシア戦は欠場。この日も当初は出場しない予定だったが、トゥポウの負傷で試合直前にメンバー入りした。

 スクランブル発進ながら、後半9分から途中出場すると俊足を生かしたプレーで会場を沸かせた。終了間際にはインターセプトして相手ゴール前まで独走。トライはならなかったが、「流れを変えるプレーはできた」。しっかりとその存在感を示した。

 医師になるとの目標に向け、今大会で15人制代表からは引退する。「もっと最高のトライを奪いたい」。27歳の切り札は、その走りで日本にまだまだ歓喜をもたらすつもりだ。(五十嵐一)

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