羽生、首位発進でも悔し転倒「いい加減、ショートで失敗するのやめなよ…」

 フィギュアアケート・オーダム・クラシック第2日(13日=日本時間14日、カナダ・オークビル)男子ショートプログラム(SP)は冬季五輪2連覇の羽生結弦(24)=ANA=が98・38点をマークし、首位に立った。冒頭の4回転サルコーは回転不足となり転倒したが、その後のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)、4回転-3回転の連続トーループは見事に成功させ、圧倒的な存在感を示した。フリーは14日(日本時間15日)に行われる。(ペン・武田千怜、カメラ・桐原正道)

 転倒した地点を、じっと見つめた。今季初戦の2分50秒を滑り終えた羽生が、唇をかむ。首位発進も、冒頭の4回転サルコー失敗に悔しさをにじませた。

 「世界選手権を引きずっていた。(サルコー)入る前には駄目でした。あっ、違うなと思った」

 楽曲は昨季と同じ「秋によせて」。3月の世界選手権でもSP冒頭の4回転サルコーが2回転になるミスがあり、結果的に銀メダルに終わった。6カ月前のミスが頭をよぎり、「考えすぎていた」と反省を口にした。

 しかし絶対王者はここから切り替える。続くトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は出来栄え点が3・68点、最後の4回転-3回転の連続トーループは同3・99点を引き出した。スピン、ステップも最高評価のレベル4をマーク。昨季よりも濃い青の新衣装を身にまとい、観客を酔わせた。

 今季中の修得を目指すクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)の練習のおかげでトリプルアクセルにも余裕ができたという。「自分の中では、100%に近いと思えるアクセルだった。そこは満足しています」とうなずいた。

 98・38点で首位発進。それでも、自らに完璧を求める24歳は「シニアになって10年近くになる。いい加減、ショートで失敗するのやめなよって思っているんですけど…」と苦笑い。「スケートって奥深いな」としみじみと語った。

 自分の限界に挑戦し続ける羽生は悔しさを胸に秘めながらも、“失敗を歓迎”する。「ここで完成させんなよって言われたような気分。修正すべき課題が見つかってよかった」と進化し続ける予感が漂った。

 14日(日本時間15日)のフリーも昨季から持ち越した「Origin」を演じる。「毎回ノーミスは目指しているが、いつもの初戦と違い、完成形が見えている。練習で作ってきた完成形を本番の舞台でしっかりと出し切りたい」。羽生の視線は常に前を向いている。

 ◆羽生にジャンプを指導をするジスラン・ブリアン・コーチ 「(4回転サルコーの失敗は)軌道が内側にいきすぎて、回りすぎた。いっそのこと、5回転にすればよかったのに」

★羽生結弦・昨年のオータム・クラシックVTR

 昨年2月の平昌冬季五輪で金メダル獲得以来、216日ぶりの実戦。SPで2種類の4回転ジャンプは成功したが、足替えシットスピンで太ももを氷面と平行にする姿勢が取れないミス。それでも97・74点で首位発進した。翌日のフリーでは4回転サルコーで転倒するなどジャンプで2度失敗し、165・91点の2位。合計263・65点でSPの貯金で逃げ切り優勝した。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ